天才と呼ばれた彼女は無理やり入れられた後宮で怠惰に過ごしたい!①
ティータイムはいつも通り
アナベルが浮かない顔をしていた。私は本からヒョコッと顔を出してじっ……と見てみる。
ハーーーッと長いため息をついていた。
「どうしたの?」
「お嬢様のお耳に入れてもいいのかわかりませんが、よろしいですか?」
「悩んでるようだし、聞いて力になれるかわからないけど、聞いてみるわ」
「実はレストア子爵令嬢が嫌がらせを受けているようなのです」
どの人がレストア子爵令嬢だったかしら?私が首を傾げるとアナベルが説明する。
「ほら……あのぅ。少しぽっちゃりとして、優しげな……」
「あー!わかったわ。福々しい方ね!」
小さな口に細い目、頬が赤くて、ちょっと拝みたくなるような福が来そうな雰囲気を持っている。ふくよかな方だけど、人に対して嫌なことを言わず、優しい気持ちにしてくれる人だった。私は関わりは持っていないけれど、確かにいた。
「その容姿をからかわれたり、わざと食事中に行って、そんなに食べるのか?と言ったり、あなたのドレスのサイズに合うお店はあるかなど、ほんとに聞くに耐えません」
「アナベルはなんで知ってるの?」
「たまたまレストア子爵令嬢付きのメイドと出会って……その時、走ってこられて泣いてましたから……つい……」
うーん……と私は本を横に置いて、腕組みする。
「わかったわ。なんとかしてみるわ。平和的にね」
「えっ!?お嬢様が!?」
「とりあえず、アナベル、お茶飲みたいわ」
かしこまりましたと言って、温かいお茶を淹れてくれる。お茶の横には小さいクッキーもつけてくれた。
「アナベルの淹れるお茶はいつも美味しいわ」
「ありがとうございます。えーと、それはそれとして、お嬢様、解決策はあるんですか?」
私は苦笑した。
「私は私がいじめられないようにと回避したけど、よく考えたら、それは他の誰かがターゲットになるってことよね。私がなるのもめんどくさいけど、誰かが、されてるのも嫌ね」
それくらい何よ!と跳ね返し、仕返しする令嬢なら、嫌がらせも終わりそうだし、見ててスッキリするけど……レストア子爵令嬢はしないだろうなぁ。
「お嬢様のせいではないですし、責任を感じることはないと思いますけど。している側が悪いのですし……」
私はお茶のもう一口飲んてから、サクッとアーモンドの香ばしいクッキーを食べた。
「お茶もクッキーも美味しい!美味しい物を心から美味しいと食べれないのは嫌よねぇ〜。早々に手を打つわ」
……その数日後、ピタッとレストア子爵令嬢への嫌がらせは止まった。
「どんな魔法を使われたのです?部屋から出てないような気がしましたが、お嬢様はいつも通り過ごしていましたよね?」
「いつも通りだったわよ。いつも通りの時間にティータイムをして、本を読んでゴロゴロ怠惰にすごしていたわ」
首を傾げるアナベルが、その数日後、私のやり方に気づいて、笑いながら言った。
「お嬢様!!なんだか3名のご令嬢方が、《《いびき》》に効く薬や方法を探してるとか聞きましたよ!」
「自分のことで忙しくなれば、人のことかまってる暇なんて無くなるでしょう?今頃、一生懸命、考えてるはずよ……私は大したことしてないわ。ただ、図書室へ行くついでに『あなたのいびきがうるさくて眠れないです』ってメッセージカードをドアに挟んだだけなのよ」
「ほんとにいつも通りの距離しか歩いてないし、いつも通りにお過ごしなんですね」
そうでもないと私は反論してみる。
「カードを書く手は動かしてるわよ。怠惰に過ごすための時間を2分ほど削って使ったわよ!」
何言ってるんですかと、アナベルが呆れた顔をしたが、すぐにニッコリとした。
「でもありがとうございます。スッキリしました。フフッ。王様と夜を共に過ごしたいなら、いびきは致命的ですよね。確かに必死になりますね!」
「健気とも言えるわ……そういう心を利用したのは少し胸が痛いけどね」
私はお茶を淹れてくれる?と頼む。アナベルはかしこまりましたと言って、いつも通りの時間に美味しいお茶を淹れてくれたのだった。
ハーーーッと長いため息をついていた。
「どうしたの?」
「お嬢様のお耳に入れてもいいのかわかりませんが、よろしいですか?」
「悩んでるようだし、聞いて力になれるかわからないけど、聞いてみるわ」
「実はレストア子爵令嬢が嫌がらせを受けているようなのです」
どの人がレストア子爵令嬢だったかしら?私が首を傾げるとアナベルが説明する。
「ほら……あのぅ。少しぽっちゃりとして、優しげな……」
「あー!わかったわ。福々しい方ね!」
小さな口に細い目、頬が赤くて、ちょっと拝みたくなるような福が来そうな雰囲気を持っている。ふくよかな方だけど、人に対して嫌なことを言わず、優しい気持ちにしてくれる人だった。私は関わりは持っていないけれど、確かにいた。
「その容姿をからかわれたり、わざと食事中に行って、そんなに食べるのか?と言ったり、あなたのドレスのサイズに合うお店はあるかなど、ほんとに聞くに耐えません」
「アナベルはなんで知ってるの?」
「たまたまレストア子爵令嬢付きのメイドと出会って……その時、走ってこられて泣いてましたから……つい……」
うーん……と私は本を横に置いて、腕組みする。
「わかったわ。なんとかしてみるわ。平和的にね」
「えっ!?お嬢様が!?」
「とりあえず、アナベル、お茶飲みたいわ」
かしこまりましたと言って、温かいお茶を淹れてくれる。お茶の横には小さいクッキーもつけてくれた。
「アナベルの淹れるお茶はいつも美味しいわ」
「ありがとうございます。えーと、それはそれとして、お嬢様、解決策はあるんですか?」
私は苦笑した。
「私は私がいじめられないようにと回避したけど、よく考えたら、それは他の誰かがターゲットになるってことよね。私がなるのもめんどくさいけど、誰かが、されてるのも嫌ね」
それくらい何よ!と跳ね返し、仕返しする令嬢なら、嫌がらせも終わりそうだし、見ててスッキリするけど……レストア子爵令嬢はしないだろうなぁ。
「お嬢様のせいではないですし、責任を感じることはないと思いますけど。している側が悪いのですし……」
私はお茶のもう一口飲んてから、サクッとアーモンドの香ばしいクッキーを食べた。
「お茶もクッキーも美味しい!美味しい物を心から美味しいと食べれないのは嫌よねぇ〜。早々に手を打つわ」
……その数日後、ピタッとレストア子爵令嬢への嫌がらせは止まった。
「どんな魔法を使われたのです?部屋から出てないような気がしましたが、お嬢様はいつも通り過ごしていましたよね?」
「いつも通りだったわよ。いつも通りの時間にティータイムをして、本を読んでゴロゴロ怠惰にすごしていたわ」
首を傾げるアナベルが、その数日後、私のやり方に気づいて、笑いながら言った。
「お嬢様!!なんだか3名のご令嬢方が、《《いびき》》に効く薬や方法を探してるとか聞きましたよ!」
「自分のことで忙しくなれば、人のことかまってる暇なんて無くなるでしょう?今頃、一生懸命、考えてるはずよ……私は大したことしてないわ。ただ、図書室へ行くついでに『あなたのいびきがうるさくて眠れないです』ってメッセージカードをドアに挟んだだけなのよ」
「ほんとにいつも通りの距離しか歩いてないし、いつも通りにお過ごしなんですね」
そうでもないと私は反論してみる。
「カードを書く手は動かしてるわよ。怠惰に過ごすための時間を2分ほど削って使ったわよ!」
何言ってるんですかと、アナベルが呆れた顔をしたが、すぐにニッコリとした。
「でもありがとうございます。スッキリしました。フフッ。王様と夜を共に過ごしたいなら、いびきは致命的ですよね。確かに必死になりますね!」
「健気とも言えるわ……そういう心を利用したのは少し胸が痛いけどね」
私はお茶を淹れてくれる?と頼む。アナベルはかしこまりましたと言って、いつも通りの時間に美味しいお茶を淹れてくれたのだった。