クールな彼と秘密の甘い同居。
むすっとしながらそっぽを向いて呟いた神宮寺さん。


そ、そうだよね。

幼なじみとはいえ、二人きり、それも前に告白された相手と一緒にいるとか、神宮寺さんは嫌だったよね。

逆の立場で神宮寺さんと女の人が二人きりで居るのを想像したら、胸がズキリとした。

「ご、ごめんなさいっ」

「......やだ、許さない」

っ......。

私、神宮寺さんを、怒らせちゃったっ。

不安に押し潰れそうな私を見て、神宮寺さんが口を開いた。


「俺のこと名前で呼んでくれたら許してあげる」


にやりと口角を上げてそう告げた神宮寺さん。


えっ?!

わ、わわわ、私が神宮寺さんを、名前呼びでっ?

そそそ、そんなの、できない、よっ!

「ほら。早く言わないと許さないよ〜?」
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