末っ子の公爵令嬢の私が騎士団長と婚約した
ブルーアー家は、レッドフォード家と同じく、公爵の爵位がある名門貴族の一つだ。
何かと関わることも多い。
なるほど、この家と繋がりを待てば、何かと仕事もしやすくなる。
ローラン様は、アリシアとは十ほどの歳の差がある。
しかし、その外見は、他のご令嬢が憧れている第一王子とされるクロード王子と並ぶほど、端正な顔立ちをしていた。
だが、ローラン様は、クロード王子の妹であるリリア王女の護衛騎士をしていたと聞いたことがある。
噂では、王女と恋人同士だったのではないかと言われていた。
その騎士が、なんで私と…
「実は私の父にそろそろ身を固めろと言われていまして…勝手に父が縁談を申し込んでしまい、申し訳ありません」
深々と頭を下げた。
「お気になさらず。私としても、あなたのような方に娘をお任せできるのかと思うと、安心です」
お父様は、ニコニコと笑顔を浮かべている。
「アリシア、どうだ?悪くはない話だろう」
私も笑顔を浮かべる。
「えぇ。ブルーアー家のご子息で、騎士団長であるローラン様とご縁があって、とても光栄ですわ」
「そう言っていただけて、よかったです。きっと父も喜びます」
これで手間が省けた。
まさかの優良物件だ。
「では、今夜の舞踏会では、私がアリシア様をエスコートいたします」
今夜は王女の婚姻を祝う舞踏会が開かれることになっている。
「ぜひ。よろしくお願いいたします」
この人も私に本気ではないのだろう。
ただ、家のために政略結婚を強いられているだけ、そう思っていた。
その晩、城で舞踏会が開かれた。
城では煌びやかなシャンデリア、豪華な衣装に身を包んだ貴族たちが集められていた。
王座には国王が座り、隣には第一王子のクロード王子が立っている。
リリア王女が姿を見せると、会場はざわめいた。
隣にいるのは、王女と婚約した隣国の王子のディア王子だ。
「お待たせして申し訳ありません」
ローラン様が正装に着替えてやってきた。
「そのドレス、とてもよくお似合いですよ」
私はローラン様の言葉に驚いた。
ローラン様は、『氷の騎士』とあだ名がつくほど、無口で感情を表に出すことはないと言われていた。
その方が、女性の、私のドレスを褒めた…
「あ、ありがとうございます」
私は思わず顔を赤くした。
「今夜は、舞踏会です。一曲、お付き合いいただけますか?」
ローラン様が胸に手を当てて、手を差し出した。
「…はい」
私はローラン様の手を取った。
(すごい…)
騎士とは思えないほど、踊りやすいようにリードしてくれた。
私はローラン様を見つめた。
「何か?」
「い、いえ…」
さっきから心臓の音が鳴り止まない。
何かと関わることも多い。
なるほど、この家と繋がりを待てば、何かと仕事もしやすくなる。
ローラン様は、アリシアとは十ほどの歳の差がある。
しかし、その外見は、他のご令嬢が憧れている第一王子とされるクロード王子と並ぶほど、端正な顔立ちをしていた。
だが、ローラン様は、クロード王子の妹であるリリア王女の護衛騎士をしていたと聞いたことがある。
噂では、王女と恋人同士だったのではないかと言われていた。
その騎士が、なんで私と…
「実は私の父にそろそろ身を固めろと言われていまして…勝手に父が縁談を申し込んでしまい、申し訳ありません」
深々と頭を下げた。
「お気になさらず。私としても、あなたのような方に娘をお任せできるのかと思うと、安心です」
お父様は、ニコニコと笑顔を浮かべている。
「アリシア、どうだ?悪くはない話だろう」
私も笑顔を浮かべる。
「えぇ。ブルーアー家のご子息で、騎士団長であるローラン様とご縁があって、とても光栄ですわ」
「そう言っていただけて、よかったです。きっと父も喜びます」
これで手間が省けた。
まさかの優良物件だ。
「では、今夜の舞踏会では、私がアリシア様をエスコートいたします」
今夜は王女の婚姻を祝う舞踏会が開かれることになっている。
「ぜひ。よろしくお願いいたします」
この人も私に本気ではないのだろう。
ただ、家のために政略結婚を強いられているだけ、そう思っていた。
その晩、城で舞踏会が開かれた。
城では煌びやかなシャンデリア、豪華な衣装に身を包んだ貴族たちが集められていた。
王座には国王が座り、隣には第一王子のクロード王子が立っている。
リリア王女が姿を見せると、会場はざわめいた。
隣にいるのは、王女と婚約した隣国の王子のディア王子だ。
「お待たせして申し訳ありません」
ローラン様が正装に着替えてやってきた。
「そのドレス、とてもよくお似合いですよ」
私はローラン様の言葉に驚いた。
ローラン様は、『氷の騎士』とあだ名がつくほど、無口で感情を表に出すことはないと言われていた。
その方が、女性の、私のドレスを褒めた…
「あ、ありがとうございます」
私は思わず顔を赤くした。
「今夜は、舞踏会です。一曲、お付き合いいただけますか?」
ローラン様が胸に手を当てて、手を差し出した。
「…はい」
私はローラン様の手を取った。
(すごい…)
騎士とは思えないほど、踊りやすいようにリードしてくれた。
私はローラン様を見つめた。
「何か?」
「い、いえ…」
さっきから心臓の音が鳴り止まない。