見習い料理研究家は甘党消防士に捕獲されました。
八月を迎え、あっという間に一週間が過ぎた。
小中学生の料理教室は全四回。午前の部と午後の部に分かれていて、それぞれ定員は十五名となっている。普段とは違って、生徒の入れ替わりはない。
なので、毎年合計三十人ほどに教えているのだ。
今日作成するのはクッキー。でも、ただクッキーを作るだけじゃない。
三人ずつの班に分かれて、それぞれ違うクッキーを作ることとなっていた。
小中学生を教えるということもあり、危険は極力減らしたい。そういう母の意向から、教室には私以外の助手が二人いる。二人とも、母の料理教室に何度も通ってくれている生徒さんだ。
私が担当したのは小学五年生と六年生で構成された班だった。作るのはアイスボックスクッキーというもの。
「ちーちゃん、次はどうすればいい?」
「次はねぇ……」
五年生の二人は、私の指示を聞いて楽しそうにクッキーを作ってくれている。この二人は元よりお菓子作りが好きらしくて、この教室にも自主的に通いたいと言ってくれたらしい。
対して、六年生の子は……。
「芽久さん。……困ったことは、ない?」
「……ないよ、大丈夫」
彼女は佐橋 芽久という名前で、この近辺の公立小学校に通っている女の子。
あんまり口数は多くなくて、ちょっとツンケンとしている。でも、根は真面目なのか言われたことは全部こなしてくれる。
五年生の二人が楽しそうに成形するのをちらりと一瞥して、私は芽久さんと話をしてみることにした。
小中学生の料理教室は全四回。午前の部と午後の部に分かれていて、それぞれ定員は十五名となっている。普段とは違って、生徒の入れ替わりはない。
なので、毎年合計三十人ほどに教えているのだ。
今日作成するのはクッキー。でも、ただクッキーを作るだけじゃない。
三人ずつの班に分かれて、それぞれ違うクッキーを作ることとなっていた。
小中学生を教えるということもあり、危険は極力減らしたい。そういう母の意向から、教室には私以外の助手が二人いる。二人とも、母の料理教室に何度も通ってくれている生徒さんだ。
私が担当したのは小学五年生と六年生で構成された班だった。作るのはアイスボックスクッキーというもの。
「ちーちゃん、次はどうすればいい?」
「次はねぇ……」
五年生の二人は、私の指示を聞いて楽しそうにクッキーを作ってくれている。この二人は元よりお菓子作りが好きらしくて、この教室にも自主的に通いたいと言ってくれたらしい。
対して、六年生の子は……。
「芽久さん。……困ったことは、ない?」
「……ないよ、大丈夫」
彼女は佐橋 芽久という名前で、この近辺の公立小学校に通っている女の子。
あんまり口数は多くなくて、ちょっとツンケンとしている。でも、根は真面目なのか言われたことは全部こなしてくれる。
五年生の二人が楽しそうに成形するのをちらりと一瞥して、私は芽久さんと話をしてみることにした。