ブライアンのお気に入り~理想を抱いてアメリカにホームステイしたら学園のキングに目を付けられた件~
息を吸うようにイチャイチャしてくる
ブライアンが連れて来てくれたのは、ニューヨークにあるチェルシーマーケットという場所だった。カザネは初耳だが、グルメも雑貨も豊富で人気のスポットだそうだ。ブライアンの勧めどおり、美味しそうな食べ物や、個性的でセンスのいい雑貨がたくさん売られている。お客さんも多く活気に溢れ、歩いているだけで楽しくなるような場所だった。
カザネははじめての場所に目を輝かせながら、興奮気味に辺りを見回して
「本当に色んなお店があるんだね。どこから入ろうか迷っちゃうね」
「じゃあ、取りあえず店に入る前に、俺のおススメを1つだけいい?」
ブライアンが連れて来てくれたのは、壁に描かれた絵が楽しめる区画だった。特にブライアンのおススメは
「わぁっ、すごい! 大きな羽根! 色使いも賑やかで、まさにアートって感じだね!」
そこには白く大きな翼をカラフルな模様で彩った絵が描かれていた。とてもポップでユニークなデザインなので、カザネも思わず写真を撮ったが
「ここ人気のフォトスポットなんだ。というわけで、そこに立って。写真を撮らせて」
「ここ?」
ブライアンの指示で大きな翼の壁画の前に立つと、
「もうちょっと右……うん。そう、そこ。こっちを向いて笑って」
ブライアンはカザネを両翼の真ん中に立たせて写真を撮った。せっかくの絵が隠れちゃうのになぜとカザネは不思議だったが、後で写真を見せてもらうと、
「ハッ……こういう写真になるんだね?」
人気のフォトスポットと言った意味が分かった。両翼の中心に立って写真を撮ると、翼が生えているように見える。要するに天使風の写真が撮れるのだが、
「まるで天使だろ? 俺の彼女なんだ」
知人に自慢するようなノリで言って来るブライアンに
「本人に言う!?」
カザネは一撃で真っ赤になったが、ブライアンは照れるどころか悪戯っぽく顔を覗き込んで
「お前が可愛くて堪らないって、他の誰に伝えるの?」
「ぶ、ブライア~ン! 外だから~!」
いつもどおり追い打ちをかけられたカザネは情けない悲鳴をあげた。
それからカザネとブライアンは色んなお店を見て回った。そのお店の1つで
「このテディベアすごく大きい! 可愛いね!」
自分の体が埋もれてしまいそうなほど大きなテディベアを見つけたカザネは、思わずギュッと抱きしめた。
「そんなに気に入ったなら買ってやろうか?」
しかしブライアンの申し出には悪い意味でビックリして
「わー、なんでブライアンはすぐにそんなことを言うの? 理由も無いのに買ってもらえないよ」
カザネは遠慮したが、ブライアンとしては
「だって今日はいちおうホワイトデーって名目だし、もともと雑貨屋とかを覗いて気に入ったものがあればプレゼントしようと思っていたから」
「ウィンドウショッピングって概念がアメリカには無いの? 一緒に色んなものを見て「綺麗だね。素敵だね」って言い合えるだけで楽しいんだよ。それに宝物は、これがあるから十分」
そう言いながらカザネは、耳につけた星のイヤリングを見せた。
「カザネは欲が無いね。せっかく彼氏ができたのに、貢がせたいとは思わないの?」
「貢ぐはともかくプレゼントはもらえたら嬉しいけど、やっぱりそういうのは、たまにだからいいんだと思う。普段はこうやって、ただ手を繋いで歩けたほうが幸せだな」
カザネはブライアンの手を取ると、「ねっ」と同意を求めるように笑顔で彼を見上げた。しかしブライアンはなぜか片手で両目を覆って
「あー、せっかく遠出したのに帰りたくなる」
「えっ? ゴメン、馴れ馴れしかった?」
誤解して離れようとするカザネの手を、ブライアンは「違うよ」と指を絡めて繋ぎ直すと
「外じゃカザネに触れられないから、うちに帰ってイチャつきたいってこと」
いつもどおり積極的な彼に、カザネは軽くたじろぎながら
「ブライアン、本当に私が好きだね?」
「そうだよ。知らなかった?」
ブライアンはおどけて返すと
「頭おかしいくらい、お前に夢中なの」
青い瞳を蕩けさせて、カザネの頬を撫でた。ブライアンの愛情が濃厚すぎて、私のほうが頭おかしくなりそうだよと、カザネは真っ赤になりながら思った。
カザネははじめての場所に目を輝かせながら、興奮気味に辺りを見回して
「本当に色んなお店があるんだね。どこから入ろうか迷っちゃうね」
「じゃあ、取りあえず店に入る前に、俺のおススメを1つだけいい?」
ブライアンが連れて来てくれたのは、壁に描かれた絵が楽しめる区画だった。特にブライアンのおススメは
「わぁっ、すごい! 大きな羽根! 色使いも賑やかで、まさにアートって感じだね!」
そこには白く大きな翼をカラフルな模様で彩った絵が描かれていた。とてもポップでユニークなデザインなので、カザネも思わず写真を撮ったが
「ここ人気のフォトスポットなんだ。というわけで、そこに立って。写真を撮らせて」
「ここ?」
ブライアンの指示で大きな翼の壁画の前に立つと、
「もうちょっと右……うん。そう、そこ。こっちを向いて笑って」
ブライアンはカザネを両翼の真ん中に立たせて写真を撮った。せっかくの絵が隠れちゃうのになぜとカザネは不思議だったが、後で写真を見せてもらうと、
「ハッ……こういう写真になるんだね?」
人気のフォトスポットと言った意味が分かった。両翼の中心に立って写真を撮ると、翼が生えているように見える。要するに天使風の写真が撮れるのだが、
「まるで天使だろ? 俺の彼女なんだ」
知人に自慢するようなノリで言って来るブライアンに
「本人に言う!?」
カザネは一撃で真っ赤になったが、ブライアンは照れるどころか悪戯っぽく顔を覗き込んで
「お前が可愛くて堪らないって、他の誰に伝えるの?」
「ぶ、ブライア~ン! 外だから~!」
いつもどおり追い打ちをかけられたカザネは情けない悲鳴をあげた。
それからカザネとブライアンは色んなお店を見て回った。そのお店の1つで
「このテディベアすごく大きい! 可愛いね!」
自分の体が埋もれてしまいそうなほど大きなテディベアを見つけたカザネは、思わずギュッと抱きしめた。
「そんなに気に入ったなら買ってやろうか?」
しかしブライアンの申し出には悪い意味でビックリして
「わー、なんでブライアンはすぐにそんなことを言うの? 理由も無いのに買ってもらえないよ」
カザネは遠慮したが、ブライアンとしては
「だって今日はいちおうホワイトデーって名目だし、もともと雑貨屋とかを覗いて気に入ったものがあればプレゼントしようと思っていたから」
「ウィンドウショッピングって概念がアメリカには無いの? 一緒に色んなものを見て「綺麗だね。素敵だね」って言い合えるだけで楽しいんだよ。それに宝物は、これがあるから十分」
そう言いながらカザネは、耳につけた星のイヤリングを見せた。
「カザネは欲が無いね。せっかく彼氏ができたのに、貢がせたいとは思わないの?」
「貢ぐはともかくプレゼントはもらえたら嬉しいけど、やっぱりそういうのは、たまにだからいいんだと思う。普段はこうやって、ただ手を繋いで歩けたほうが幸せだな」
カザネはブライアンの手を取ると、「ねっ」と同意を求めるように笑顔で彼を見上げた。しかしブライアンはなぜか片手で両目を覆って
「あー、せっかく遠出したのに帰りたくなる」
「えっ? ゴメン、馴れ馴れしかった?」
誤解して離れようとするカザネの手を、ブライアンは「違うよ」と指を絡めて繋ぎ直すと
「外じゃカザネに触れられないから、うちに帰ってイチャつきたいってこと」
いつもどおり積極的な彼に、カザネは軽くたじろぎながら
「ブライアン、本当に私が好きだね?」
「そうだよ。知らなかった?」
ブライアンはおどけて返すと
「頭おかしいくらい、お前に夢中なの」
青い瞳を蕩けさせて、カザネの頬を撫でた。ブライアンの愛情が濃厚すぎて、私のほうが頭おかしくなりそうだよと、カザネは真っ赤になりながら思った。