この薄汚い世界に、何を求める。
それは痛いから、やめてほしい。耳を塞ぎたくなる。
好きなことに没頭できるのは、悪いことじゃないのは分かっているけど、それで生計を立てられなかったら、好きなことをする意味がない。
「好きなことで自分の体が多少犠牲を負うか、苦手な場所と人の中で自分の体が犠牲になるか。考えなくても、答えは出ませんか?」
「…そりゃ、好きなことの方が」
「じゃあ進みましょう!」
まだ話終わっていないのに、食い気味で私のうじうじした悩みを断ち切った。
何からしようかと、どこから持ってきたのか分からない紙とペンを机に置いて、〝やることリスト〟を書き出す。