星降る夜に、あのラブソングを。

最 終 話 星降る夜に



 私はいつでも、空を見上げる。

 朝は眩しい太陽が印象的。
 チチチチと、小さく鳴き声を上げる小鳥が優しく朝を告げ、今日1日を思い希望を感じさせる。

 部屋で1人空を見上げていると、必ず隣にやってくる人。その人はいつも「おはよう。今日も一緒に頑張ろうね」と、優しく微笑んで、温かくて美味しいご飯を用意してくれる。


 昼は青空に浮かぶ真っ白な雲。
 たまに一筋の長い雲を残しながら通り過ぎていく飛行機に、思わず目が奪われる。

 隣で一緒に空を見上げる人。その人は「あれに乗れば、どこにだって行ける。君の生きる世界はここだけじゃないのだから」と、まだ見ぬ広い世界へ期待を抱かせて、活力を与えてくれる。


 夕方は沈む太陽がオレンジ色に輝く。
 この色を見ると、今日も1日が終わるんだと……何だかホッとする。

 そんな陽の光が部屋をオレンジに輝かせる時間が素敵で、夕方も一緒に空を見上げるその人は「今日も頑張りました」と、優しく頭を撫でて、安心と癒しを与えてくれる。


 そして夜は、キラキラと輝く星。
 数光年、数十万光年前もの光が、私に癒しを与えてくれる。

 そんな夜は1人———……だった。



 少し前までは。



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