恋の手助けならウィッチクラフトにお任せ

 玲央が喋っている途中なのに、二重音声になって心の声まで聞こえてくる。

『風花みたいなタイプはグイグイいくと逃げそうで我慢してきたけど、いい加減押していっていいかな? 部活の合宿なんて恋愛イベント起きそうだし、誰かに先を越されでもしたら……』
「写真部! は男子ふたりしかいない! しかも合宿は不参加! 女子しか行かない!!」
「あっ、そうなんだ?」

 玲央が不思議そうな顔で私を見てくる。
 今の私、間違いなくあのときの亜理紗みたいにおかしな状態になってる!
 
『だとしても、これ以上友達続けんのもキツいんだよなー。早く俺の彼女にして、イチャイチャしてー』
「わー、わー、わー」
「大丈夫か? 顔が赤いけど、熱があるんじゃ……」
「だ、大丈夫!」

 少しも大丈夫ではないけれど、そう言い張るしかない。

『どう見たって大丈夫じゃないだろ! あー、抱き上げて保健室までつれていってやりてーな……あっ、ひょっとして、友達でも体調不良のときならそれもアリか?』
「わー! 少し! 落ち着けば! 本当に大丈夫!」
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