キミの手を握りしめて、離さないで、繋ぎ止めて。
「おはよ〜っ、澄星!」
「澄星、誰に送ってもらったの〜?」
え…?!ちょ……、誰っ?!
とまぁ、ほっとしたのも束の間、教室へ向かう途中の廊下で後ろから誰かが突撃するように近づいてきた。
「なんだ、ゆらなと月姫か。」
私は詰め寄ってきたのがよく見知った親友だってことに気づき心底安心した。
まぁ、そんな知らない人がいきなり突撃してくるわけないか。
おはよ、と返して二人の隣に並んで教室までの廊下を歩く。
「で?あの人誰だったの?」
と聞いてくるのは三枝月姫(さえぐさつき)。バリバリ理系の超成績優秀な美人さん。
月の姫だからたまにかぐやって呼んだりもしてる。ゆらなは常にかぐやって呼んでるし。
「超イケメンだったらしいけど、彼氏なの?」
と興味津々なのが陽瀬(はるせ)ゆらな。明るくまっすぐな可愛い系女子。ちなみに最近同クラの男子と付き合い始めたらしい。聞いたときは結構驚いた。
そんな2人は高2になってできた友達だが、今では親友と呼べるほど仲が良い。