キミの手を握りしめて、離さないで、繋ぎ止めて。




「違うよ、あの人はアパートのお隣さん。ちょうど今日家出る時間が一緒で話してたら電車間に合わなくって。そしたら送ってくれたんだ。」




「え、お隣さん?」

「あれ?澄星ってアパートに住んでるの?」



きょとんとした2人に私がびっくり。

それと同時に内心自嘲気味になる。




ははっ、私ってこの2人でさえまだ話してなかったんだ。






「そう。私、色々あって中3から一人暮らしなんだけど、その引っ越した当時からよく面倒見てくれた人なんだよね。」



そう、今では本当に感謝しきれないくらい麗琉くんには感謝してる。


命の恩人と言っていいほど、あの時の私にとって支えになっていたんだ。





「へぇ〜そうだったんだ!」

「なるほどね。そういえば、あの人の名前は?」




「平瀬麗琉くん、19歳だよ。」

「え、19歳?!あんな高級車に乗って?」


2人は目と口を開いて大きく驚いている。



ここまではいかないにしても、衝撃を受けるのは二人に同意だな。





「うん。なんかミステリアスな人だからよくわかんないんだよね、私も。」


ほんと不思議だよねぇ〜何してるんだろって笑いながらこぼす。





……いつか、本当の麗琉くんを知りたいな。




なんて、思った瞬間。

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