キミの手を握りしめて、離さないで、繋ぎ止めて。


キーンコーンカーンコーンッ



チャイムが鳴って先生がドアをガラガラ開けて入ってくる。



「やば、何も準備してないしっ。とりあえずじゃねっ!かぐやと澄星。」


「うん!」
「また後で。」



手を振り合ってから慌てて席についた。





SHRが始まって担任の先生が話を始める。



今日の連絡から始まった話はいつの間にかどうでもいい雑談に変わっていた。
そんな担任に私はうんざりして窓の外へ目を向けた。



窓の外ではやっぱり、太陽がギラギラ光り空は真っ青で瞳の奥を刺すように澄んで輝いていた。






ほんっと、夏って嫌な季節。




なんて思いながら教卓の方へ目を戻した。





___まさか、外で見張っている男がいるなんてことも知らずに……





ーーーーーーーーーー
ーーーーー

「じゃ、またね。ゆらなと澄星。」


「ばいばい!」
「かぐや、部活頑張ってね〜」

< 12 / 30 >

この作品をシェア

pagetop