キミの手を握りしめて、離さないで、繋ぎ止めて。



「……ねぇ、あなたたちは誰?」




私は目の前の男たちを睨みつけた。



……睨むことしかできなかった。

眠っている間に手も足も縛られていたから。



それでもはっきりと目覚めて、全てを思い出した今でも案外私は冷静みたいだった。






「……フッ。俺らは、"蓬莱"だ。」




答えたのは私の目の前に立っていた、見た目からしてリーダー的存在の金髪男。
その後ろには赤髪と青髪の2人の男が部下のように立っている。




「ほう……らい…。」



嘘でしょ………。

さすがにこれには私も驚きを隠せなかった。




蓬莱とは私の住む地域では最恐だと噂をされ恐れ続けられている有名な暴走族だった。

ヤクザと繋がっていて麻薬とか銃とか…暴力以外にも手を出していてやばいらしい、ということは聞いたことがある。




まぁなんか、最近は総長が誰かに殺されたとかで、反乱が起きてるらしいけど……。


ま、噂だしよくわかんないけど。




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