キミの手を握りしめて、離さないで、繋ぎ止めて。
気づきも隠して、その後も私は金髪男と変な言い合いをしていたが、部下の赤髪男がこそっと何か告げると金髪男は勝ち誇った顔をした。
「フッ、ボスのご到着だ。おい女、全てを吐いてもらうぜ。」
「……嫌だ。」
絶対、麗琉くんのことは話さない。
私はそう決めた。
麗琉くんは、私にとっては悪い人ではないから。
大切な人だから。
「…は?」
「だーかーら!嫌だってって言ってるの!私はひるらりせなんて人知らないし、誘拐なんて犯罪だって言ってるじゃん!」
「ごちゃごちゃうっせぇんだよッ!!さっさとボスの前で昼楽理世のことを言えよ!そうすりゃ離すっつってんだろっ?!」
「もう話したでしょっ?私は知らないのっ!離してよ!」
「うるせぇんだよッ!黙りやがれ!」
やっぱり、どれだけ怒鳴ってもだめらしい。
さすがにこれ以上言い続けると私の命が危なくなるのか……でも、それ以上に麗琉くんのことは話したくないし……。
なんて、思考は数秒で奪われた。
「騒がしい、黙れ。」
「……っ?!」