キミの手を握りしめて、離さないで、繋ぎ止めて。
「何者だ…っ!!」
誰の声だったかは分からない。けど、男の1人が警戒したように大声をあげる。
「ハッ、この子を拐っといてよく言うよね。」
カツンカツンッ
革靴の音とともに近づいてくる1つの影。
そして、月明かりで顔が見えた瞬間。
………どう、して…?
なんで……、ここがわかったの…?
驚きと安堵が混ざって涙が一筋の零れ落ちた。
「…りる、くん………。」
呆然と口をこぼした。
「どーも、あなたたちにお呼ばれした昼楽理世ですけど。」
不敵に笑う麗琉くんが立っていたのだ。