キミの手を握りしめて、離さないで、繋ぎ止めて。



「ぐはぁ……っ!!」

「げぇっ…、」



「だから言ったじゃん。お前たちなんてほんとは今すぐにだって殺せるけど。」



しばらく目を瞑っていると聞こえてきたのは何かがぶつかるような鈍い音とうめき声。

見てもいないのに殴り合いをしているとわかってしまうほどの音ばかりだった。





「チッ!!なんで、お前なんかに俺たちは殺られなきゃなんねぇんだよッ!」


「ハッ、そんなのお前らが俺より弱いからだろ。ほんと弱いお前たちには笑いしか出ねぇよ。」



……そして何より。

耳に残るのはいつもの麗琉くんではありえない誰かを嘲笑うような低い声。

……敵に回したら銀髪男よりも麗琉くんのほうが怖いのかもしれない。




「……早瀬冬威、お前に全てを選ばしてやる。ここで人生を終わらすか……、それとも今は痛めつける程度に止めてやって蓬莱を解散するか。」




あ、ちなみに時間は30秒ねーといった麗琉くんは楽しそうな笑いをこぼしていた。


まるで私にしたことを繰り返し仕返しをして楽しんでいるみたいだった。




「なぁ、30秒経ったけどどっちがいーの。」


「………。」


「あれ、答えないってことは俺が決めていーってこと?」

「………。」





「……フッ、いーんだ。りょーかいっと。」



軽々しく呟いた麗琉くんの声がした直後




バンッ、バァンッ!!


さっきと同じ爆発するような銃声が何度も聞こえる。

 

今度は麗琉くんが撃ったってこと……?
誰かを撃ち殺した……?



気が動転していて忘れていたが、なんで麗琉くんは銃を扱いこなせるの…?


目を瞑って何も見えないと恐ろしいことを想像して、たくさんの事を考えてしまう。



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