キミの手を握りしめて、離さないで、繋ぎ止めて。
「え、私全部口に出してた?」
「ううん、全部顔に出てる。……ほんと____だよねぇ。」
「うん?麗琉くんなんか言った?聞こえなかった。」
ちょうどエンジンをかけた音と被って聞こえなかった。
「ううん、何もない。じゃ、行くよ。澄星の高校って双葉学園でしょ?」
……はぐらかされた気もするけど、まぁいっか。麗琉くんは変なことは言わないだろうし。
「うん、そうそう。お願いします!」
私は送ってくれることに感謝して笑顔で頷いた。
「はいはい。」
もし、私がこのときサボっていれば。
遅刻寸前になっていなければ。
あんな事が起こることもなかったのに……。
でも逆にあれがなければ、麗琉くんを知ることもなかったんだ。
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「麗琉くんっ!ありがとうございました!」
「いーえ。」