未定
どうやら動画を見ているようだ。
ふたりで過ごす時の彼はたいていそうなので、少し寂しい気もするが、さほど気にならない。
「遅い」
「ご、ごめん。だいぶ待ったよね」
「ビール三杯ほどな。あのくらい、さっさと終わらせろよ。のろまだな」
そう思うのなら自分でやればいいのにと不満に思ったが、口には出さない。
彼に意見して、よかったと思った試しがない。
不機嫌になって帰ってしまえば、『大事な話』が聞けなくなりそうでもある。
彼との三年の交際で、明日香が我慢すればうまく付き合っていけると学んでいた。
「のろまでごめん。次はもっと頑張るから」
いつものように悪くなくても謝り、眉尻を下げて微笑むと、それ以上の文句はなかった。
「なに飲む?」
「ええと……」
迷っていると、彼が勝手にマスターに注文する。
「ビールもう一杯と、シャンディガフ。いいよな?」
「う、うん」
ビールベースではないカクテルがよかったが、せっかく選んでくれたのだからそれを飲むことにした。
草尾が残したつまみを食べながらカクテルを飲み、動画を見ている彼に話しかける。
「残業中に嬉しいことあったんだ」
ふたりで過ごす時の彼はたいていそうなので、少し寂しい気もするが、さほど気にならない。
「遅い」
「ご、ごめん。だいぶ待ったよね」
「ビール三杯ほどな。あのくらい、さっさと終わらせろよ。のろまだな」
そう思うのなら自分でやればいいのにと不満に思ったが、口には出さない。
彼に意見して、よかったと思った試しがない。
不機嫌になって帰ってしまえば、『大事な話』が聞けなくなりそうでもある。
彼との三年の交際で、明日香が我慢すればうまく付き合っていけると学んでいた。
「のろまでごめん。次はもっと頑張るから」
いつものように悪くなくても謝り、眉尻を下げて微笑むと、それ以上の文句はなかった。
「なに飲む?」
「ええと……」
迷っていると、彼が勝手にマスターに注文する。
「ビールもう一杯と、シャンディガフ。いいよな?」
「う、うん」
ビールベースではないカクテルがよかったが、せっかく選んでくれたのだからそれを飲むことにした。
草尾が残したつまみを食べながらカクテルを飲み、動画を見ている彼に話しかける。
「残業中に嬉しいことあったんだ」