未定
他の若い女性社員と同じように明日香も彼の容姿は素敵だと思い、強気な言動には頼もしさを感じていたので嬉しかった。
しかし彼が自分を恋愛対象にしているとは思わなかった。
地味な自分を食事に誘ってくれるのは、彼の仕事のサポートに対するお礼に違いない――そう解釈していたのだが、数回目の食事で交際を求められた。
すぐには信じられないほど驚いたあとに喜びがじわじわと広がって、『よろしくお願いします』と頭を下げたのだ。
それ以来、三年ほどの付き合いだが、社内では交際関係を秘密にしている。
仕事がやりにくくなると草尾に言われたからだ。
しかし明日香が接し方に気をつけていても、草尾の方が今みたいに馴れ馴れしく話しかけてくる。
そのせいで仲のいい同期にはすぐ気づかれてしまったし、他にも何人か、秘密の交際に気づいている社員がいるようだ。
(勇吾、イライラしてるみたい)
草尾は事務職を軽視するような嫌味をたまに言う。
それに反論したことは一度もなく、今も「すみません」と謝った。
出かける前は大口契約が取れそうだと張り切っていたのだが、今の様子を見る限り、断られたのだろう。
しかし彼が自分を恋愛対象にしているとは思わなかった。
地味な自分を食事に誘ってくれるのは、彼の仕事のサポートに対するお礼に違いない――そう解釈していたのだが、数回目の食事で交際を求められた。
すぐには信じられないほど驚いたあとに喜びがじわじわと広がって、『よろしくお願いします』と頭を下げたのだ。
それ以来、三年ほどの付き合いだが、社内では交際関係を秘密にしている。
仕事がやりにくくなると草尾に言われたからだ。
しかし明日香が接し方に気をつけていても、草尾の方が今みたいに馴れ馴れしく話しかけてくる。
そのせいで仲のいい同期にはすぐ気づかれてしまったし、他にも何人か、秘密の交際に気づいている社員がいるようだ。
(勇吾、イライラしてるみたい)
草尾は事務職を軽視するような嫌味をたまに言う。
それに反論したことは一度もなく、今も「すみません」と謝った。
出かける前は大口契約が取れそうだと張り切っていたのだが、今の様子を見る限り、断られたのだろう。