カオルちゃんと薫くん
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「ただいまー」
玄関に入ると、香ばしい魚の焼ける匂いがした。
今日の夜ご飯は魚か。
ちぇ。
和食の気分じゃないのに。
心の中でそんな悪態をつきながらリビングへと向かう途中、左側の脱衣所の扉が勢いよく開いた。
「あ。おかえり」
出てきたのは上半身裸で首にタオルを巻いただけの…
「薫?!アンタなんで服着てないのよ!」
私が慌てて扉を閉めると、すぐにその扉は開いて「風呂上がりに服着る奴いるか?クソ暑いのに」薫は面倒くさそうな顔をして堂々と私より先にリビングに歩いていった。
「ちょっと、」
その後をいそいそと追いかける私。
この家は一体誰の家なのかと言いたくなる。
薫は同い年の幼馴染。
近所で親同士も仲が良いから、小さい頃からずっと一緒。
火曜は仕事の都合で薫の家は両親不在。
お風呂と夜ご飯を私の家で済ませて帰る。
それが毎週火曜のルーティン。