義弟ディルドで処女喪失したらブチギレた義弟に襲われました

エピローグ:やっと、きっと

「これは使用禁止です」
「えぇっ、せっかく作ったのに!」
「才能の無駄遣いすぎる」

 はぁ、とため息を吐きながら『大好き義弟パトリスの魔道ディルド』を私から取り上げ半眼になったパトリスは、ちゅ、と重ねるだけの口付けをくれた。

「……そんなんじゃ誤魔化されないわよ」
「いつでも本物があるんだから必要ないでしょう」
「そっ、れは」

 改めてそう告げられると、じわりと頬が熱くなる。
 彼の姉でいなければならないとそう思っていた。
 彼を諦めるつもりでこのディルドを作った。

 でも、私はもう彼の姉でなくてもいいのだ。

(思えば姉ではなくても家族にはなれる、のよね)

 自分でそんなことを思い、そんな自分の妄想に照れてしまう。
 だってパトリスが言ってくれたのだ、私が好き、と。
 そこまで考え、私はあることに気が付いた。
 私はまだ、彼に好きだと伝えていない。

「まぁ、俺がフラヴィに使う分にはありかな」

 ふむ、と考え込んでいるパトリスの両腕をガッと掴み、彼の碧眼を見上げる。
 私が突然覗き込んだからか、少し驚いたように目が見開かれた。

「私もずっとパトリスが好きだったの!」
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