義弟ディルドで処女喪失したらブチギレた義弟に襲われました
「全然大丈夫には見えません。足を怪我した?」
「い、いいえ」
「ではどこですか」
(というか怪我じゃないし)

 確かに出血はしたが怪我じゃない。
 滲んだ冷や汗が頬を伝う。まずい。本格的に尋問をされそうな予感がする。

「お腹が痛い……とは少し違いそうですね。ですが歩き方がおかしい。……まさか」
「ひいぃっ」

 彼の碧眼が細められじとっとした視線を向けられる。
 まるで地を這うような声色になり、私は一気に青ざめた。
 ダメだ。これはダメだ。納得する答えを聞くまで言わせるやつだ。

 だがパトリスのディルドを使って楽しんだなんて言えるはずがない。しかし嘘は厳しそうだ。
 ならば言えるのはどこまでだ?

 ごくりと唾を呑む。
 また一歩私を壁側へと追い詰めるようにパトリスが近付く。
 ゆっくり考える時間はなさそうだった。
 取捨選択するしかない。
 
 絶対言えないのはパトリスのディルドを作ったこと、そしてそれを使ったことだ。
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