あの人との甘い夏

次の日

朝の日差しが、私の部屋を明るく染める。
「うん、良い朝だ」
軽く体を伸ばし、ベットから立ち上がった。
私の親は朝早くから仕事に行く為、いない。
自分で朝ごはんを用意して、その朝ごはんを食べてから、私はいつも学校に向かう。

「今日はフレンチトーストにしよう」
そう思い、パンを用意して料理を始めた。
「うん、良い匂い、美味しそう。」

フレンチトーストが完成した。
外はパリッとして、中はふんわりとした味でとても美味しかった。
フレンチトーストにメープルシロップをかけ、また一口食べた。
「うん、良い感じ」
私は手を動かして、朝ごはんのフレンチトーストを食べていった。

朝ごはんを食べ終わると、歯磨きをして、制服を着て、学校へと向かった。

最近日差しが眩しくなってきた。
もうすぐで夏が来る。
そういう合図だと思う。
私は昨日より遅くきた。
教室に入ったら、ある声が多数聞こえてきた。
「ねえ、知ってる?流生が昨日告白されてるところを見たんだー!」

「え?本当?」

「うんうん!本当!」

「流生ってモテるからねー」
流生が告白された。
あぁ、あの子に告白されたんだな。
私はそう思いながら自分の椅子に座った。
その流生が告白されたことを見た女の子がまた口を開いて話した。
「告白してた子ね、一つ下の学年なんだけど、学年1モテるらしいよ、しかも頭も運動もできるって」

「え〜?何それ天才じゃん」
女子たちは告白の話に盛り上がっていた。

流生は、好きな人がいるんだよね。
昨日言われた言葉を思い出した。
流生の好きな人って誰なんだろう。
流生が好きって言うくらいだから、その子もきっと可愛くて優しい子なんだろうな。
そう考えていると、教室に流生が入ってきた。

「なー流生、お前告白されたんだって?しかも、学年1モテる子になー?」
そう、流生の友達達が絡みに行っていた。
「ちょ、お前ら近いって」
流生は、手でその友達を追い払っていた。
「そーれーで!返事はどう返したんですか?」

流生は、少し黙ってこう言った。
「もちろん、断ったよ」

クラス中が静まる。
「え?お前、告白断ったのか?」
「あぁ」
男子達が驚きを隠せない表情になっている。

「何で断ったのか?」
男子達は「うんうん」と頷きながらそう聞いていた。

「あー...俺、好きな人いるから」
また教室中は静まるかと思いきや、「えー!?」とうるさくなり、教室中が騒ぎ始める一方だった。

教室が騒ぎ始めていることとはうらはらに私は静かに席に座っていた。
「なーな!おはよー」
琉生はにこにこしながらあいさつしてきた。
「琉生?!おはよう。ほんとに告白断ったんだね?」
私はびっくりしながらも返事をした。
「当たり前だろ?好きな人いるし、その子誰かも分からないし?」
琉生は笑いながらそう言った。
「あははっ、琉生らしいね笑」
私も琉生と一緒に笑った。

この会話を聞いていた周りの人が琉生と菜々の両思い説が噂されたのはここだけの話

今日一日中ずっと琉生の好きな人の話でもちきりだった
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