あの人との甘い夏

花火

夏祭りと言ったらの定番の、花火
もうすぐで打ち上がるようだ。
花火がそろそろ打ち上がるとなり、周りは人が始めより賑やかになってきた。
「人混みが増してきているな」
流生は周りを見ながらそうボソッと呟いた。
「あまり、離れんなよ、」
流生にそう言われ、流生は私の手を掴んで歩き始めた。
私は流生に手を掴まれたのは初めてで、とても驚いてしまった。
急に胸の鼓動がうるさくなって、ずっと心臓の音が高鳴っていた。
「心臓の音がうるさい…」
私は少し小さい声で呟いた。
周りの声で私の声はかき消され、流生には届くはずがなかった。だから、わざとそう小さい声で聞こえないように呟いた。

ドーーンッッッ

暗い夜空に光り、飛び散る花。

「わぁ…!綺麗」
私はその美しさに見とれてしまっていた。
「花火はいつ見ても綺麗だな」
流生はニコッと笑い、花火を見ながらそう呟いた。
「うん…!」
私はその光りを1秒も無駄にしたくなくて、ずっと、真剣に、空高く上がる花火を見ていた。

花火が上がりきった時のことだった。
「あのさ…、菜々。俺、好きな人がいるって、言ったよね」

「うん、それがどうかしたの?」
私は首を少し傾げそう言った。

「それさ、菜々のことなんだよね」
急にそう言われ、頭の思考が止まった。
「…え?なに、が?」
「だから、好きな人が菜々なの」
流生は少し恥ずかしそうにキッパリと言った。

「わ、私、?」
私はまだ信じられないのかのようにそう言った。
「あぁ、だから、付き合って欲しい」
流生は、私にそう言った。
「私で…、良いの、?」
「あぁ!」
「じゃあ…こちらこそ、よろしく…!」

「あぁ、よろしくな!」
そう言った時の流生の笑顔は、今まで以上に輝いて見えた。

「よし、そろそろ帰るか。」
「そうだね!」
私は琉生ともっと一緒にいたいと思ったけどもう体がとても疲ていてこれ以上動き回るとまた入院になりそうだったので大人しく帰ることにした。
そして家に帰った私は未だに琉生と付き合った実感がない。
ピコン
静かな部屋に通知音が鳴り響いた。
「だれだろう」
私はそう思いながらスマホを見てみるとその通知は琉生からだった。
「今日はありがとな、楽しかった。」
「こちらこそありがとう、楽しかった!」
私はそう打って送信した。するとすぐ既読がついた。
「よかった。菜々が楽しんでくれて。また来年も行こうな!」
「うん!絶対行く!」
私はすぐ送信した。
「じゃあまたな。おやすみ」
「うん、またね!おやすみなさい」
私はそう返信してスマホを閉じた。
(琉生、また行きたいって思ってくれてるんだ)

私は昔から体が弱くて病院に入院してばかり。ずっと1人で寂しかったけど、そんな日々を琉生が変えてくれた。私に色んなことを教えてくれたし、楽しませてくれた。そんな琉生が私は大好き。これから先どんな困難も琉生と一緒に乗り越えていけたらいいなと私は思う。




琉生、これからもこんな私をよろしくお願いします。
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