📚 本に恋して 📚 第七回:『心の窓』 沢木耕太郎著
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赤ちゃんは一人遊びに疲れたのか、眠ってしまいました。
ベビーベッドに寝かせて部屋に戻ると、
クマちゃんが寂しそうに部屋の隅で天井を見上げていました。
いたるところにおもちゃが散らかっています。
白い紙とクレヨンも散らばっています。
どこから引っ張りだしたのか、靴下もあちこちに片方ずつ投げ捨てられています。
それを見て思いました。
「家なんて もっと汚くてもよかった」
「洗濯物も ためちゃえばよかった」
「家事なんて、全部あとまわしにしたらよかった」
片付けながらつぶやきます。
「もったいないこと しちゃった」
「だって あんな時間は もう二度とない」
気づくと、片付けもしないで、ドアを開け、外に出ていました。
緑の木々と風に舞う花びらを見つめながら思います。
「気がつけば あなたは 新しい夢に夢中で 自分の足で どんどん あるいていくんだろう」
そうなのです。
もうただの赤ちゃんではないのです。
自分というものを持った一人の人間なのです。
赤ちゃんは一人遊びに疲れたのか、眠ってしまいました。
ベビーベッドに寝かせて部屋に戻ると、
クマちゃんが寂しそうに部屋の隅で天井を見上げていました。
いたるところにおもちゃが散らかっています。
白い紙とクレヨンも散らばっています。
どこから引っ張りだしたのか、靴下もあちこちに片方ずつ投げ捨てられています。
それを見て思いました。
「家なんて もっと汚くてもよかった」
「洗濯物も ためちゃえばよかった」
「家事なんて、全部あとまわしにしたらよかった」
片付けながらつぶやきます。
「もったいないこと しちゃった」
「だって あんな時間は もう二度とない」
気づくと、片付けもしないで、ドアを開け、外に出ていました。
緑の木々と風に舞う花びらを見つめながら思います。
「気がつけば あなたは 新しい夢に夢中で 自分の足で どんどん あるいていくんだろう」
そうなのです。
もうただの赤ちゃんではないのです。
自分というものを持った一人の人間なのです。