📚 本に恋して 📚    第七回:『心の窓』 沢木耕太郎著
ページをめくると、プロローグが始まります。

特別な力を持つブルージーンズのお話しと書かれています。

但し、新品ではなく、古着屋で見つけた中古品のようです。

3ドル49セント(1ドルが140円くらいなので、490円ほどでしょうか)で、カルメンは試着もしないで買ったもののようです。

でも、4人がカルメンの家に集まった時、偶然にもみんなの目に止まり、順番にはいてみることになりました。

すると、どうでしょう。

ピッタリなのです。

どんな体型にも合うのです。

正に、魔法のパンツと言ってもいいくらいです。

気に入った彼女たちは、この夏休みの間、パンツを共有することを決めます。

* *

4人は、アメリカのジョージタウン(ワシントンD.C)に住む高校生です。
全員15歳。

大の仲良しですが、今年の夏、初めて別々に過ごすことになります。

カルメンは、サウスカロライナ(アメリカ南東部)のパパ(離婚して別居中)のところへ、
レーナは、ギリシャの祖父母の家へ、
ブリジットは、バハカリフォルニア(メキシコ最北の州)のサッカー・キャンプへ、
そして、ティビーだけは自分の家に残ってアルバイトをします。

彼女たちは、離れ離れになる前日の夜、みんなで集まって、パンツをはく順番を決めます。

最初がレーナで、
次はティビー、
3番目がカルメンで、
最後がブリジット。
そして、一巡したら逆回りに戻すことも決めました。

更に、『トラベリング・パンツの誓い』を立てます。

「今宵、このジーンズに4人組としての愛を捧げる。世界中どこへ行こうと、われわれがジーンズによって愛を受け止めれらますように」と。

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