📚 本に恋して 📚    第七回:『心の窓』 沢木耕太郎著
③『偶然の宝石』
(ブラジルのアマゾンの奥地でのひとコマ)

上半身裸の少女(幼児)が顔をキリっとさせてカメラを見据えています。
天然のカールでしょうか、金髪っぽい髪が顔に掛かり、ある種完成された美しさを持っているように感じます。

著者は、その美しさを『偶然の宝石』と名付けていますが、「様々な種族と交わることで、髪も顔立ちも何系と特定できない不思議な容姿を生みだした結果」と結論付けています。

その通りなのでしょう。
中には、他の種族と一切かかわらず、孤高を守っている純粋な血統の種族がいるのでしょうが、多くは文明の洗礼を受けて、多様性を受け入れた結果、元々の特徴が薄れて、新たな容姿へと変化していったのだと思います。

そんなことを考えていると、日本人はどうなっていくのだろうか? とふと考えてしまいました。
人口減少が進み、人手不足が深刻になっている日本は、外国の人を数多く受け入れていくことになると思います。
そうなると、国際結婚の数も増え、混血の人の数も増えていくでしょう。
今でも日本人離れした容姿の若い男女が増えているように感じますが、それが加速していくに違いないように思います。
もしかしたら、平面的と言われている日本人の顔も欧米人のように立体的になっていくのかもしれません。
となると、日本人の特徴というのはどうなっていくのでしょうか?

欧米人と体格で引けを取らない大谷選手ですが、顔はまさしく日本人です。
でも、あの体に彫りの深い顔が付いているとしたら……、

人種なんて、そんなことを考える必要のない時代が来るのかもしれません。
どんどん交流が進んで、どんどん混血していけば、地球人という一つの括りだけになるのかもしれません。
そうなると、国という概念が消えて、国同士がいがみ合うこともなくなるかもしれません。
そうなるといいな、と思います。


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