恋をしたのは姉の夫だった人
なんていい子なのと、胸がギュッと捕まれたような感じがした。
「自分を犠牲にして、ヒーローみたいだよ。ありがとう」
「柊木さんにそう言ってもらえたなら、すごく光栄です」
「若田君は優しいね」
「いえ、そんなことないですよ。行きましょうか」
「うん、本当に平気?」
「はい」
「結構強くぶつけたよね?後で痛まないかな……」
「大丈夫ですけど、あ!」
突然声を上げる若田を見て、不思議に思い首を傾げた。
「えっと、それほど心配していただけるのであれば、今日昼食に付き合ってくれますか?」
「え、もちろんいいよ」
実を言うと今朝は料理どころでなかったため、お弁当は持ってきていなかった。
それもこれも昨晩の衝撃のせい。
「本当ですか……!?」
若田は嬉しそうに顔を緩めるので「うん。おわびにおごるよ」と微笑み返す。
「いえ、それは傘に入れていただいているので、昼食を一緒にしてもらえることだけお願いしたいです」
なんて謙虚な後輩だろう。
いい子だとまたも思い、頬を緩めた。
そして昼休み、優と若田はカフェで待ち合わせをした。
そこは、会社から二つ奥の道筋にある地下の隠れ家的な雰囲気の店で、度々情報誌に掲載される場所である。
「お待たせしました。すみません」
優より少し後に来た若田は、ひどく慌てて息をきらしてきた。
「ううん、全然待ってないよ」
「いえ!待ち合わせより五分経ってます……すみません」
「五分なんて全然だよ」
若田とは何度か会社外で会ったことがあるので、時間より早く到着するタイプの優の性質を知っているため「いえ、すみません……」と、恐縮する。
「本当にいいよ。お仕事押したんじゃない?大丈夫?」
「少しだけ……でもすみません。ここ失礼しますね」
優が「どうぞ」と言うと、彼は向かいの席に腰をおろした。
狭い店なので、テーブルも小さく、二人の距離がぐっと近付いた。
「自分を犠牲にして、ヒーローみたいだよ。ありがとう」
「柊木さんにそう言ってもらえたなら、すごく光栄です」
「若田君は優しいね」
「いえ、そんなことないですよ。行きましょうか」
「うん、本当に平気?」
「はい」
「結構強くぶつけたよね?後で痛まないかな……」
「大丈夫ですけど、あ!」
突然声を上げる若田を見て、不思議に思い首を傾げた。
「えっと、それほど心配していただけるのであれば、今日昼食に付き合ってくれますか?」
「え、もちろんいいよ」
実を言うと今朝は料理どころでなかったため、お弁当は持ってきていなかった。
それもこれも昨晩の衝撃のせい。
「本当ですか……!?」
若田は嬉しそうに顔を緩めるので「うん。おわびにおごるよ」と微笑み返す。
「いえ、それは傘に入れていただいているので、昼食を一緒にしてもらえることだけお願いしたいです」
なんて謙虚な後輩だろう。
いい子だとまたも思い、頬を緩めた。
そして昼休み、優と若田はカフェで待ち合わせをした。
そこは、会社から二つ奥の道筋にある地下の隠れ家的な雰囲気の店で、度々情報誌に掲載される場所である。
「お待たせしました。すみません」
優より少し後に来た若田は、ひどく慌てて息をきらしてきた。
「ううん、全然待ってないよ」
「いえ!待ち合わせより五分経ってます……すみません」
「五分なんて全然だよ」
若田とは何度か会社外で会ったことがあるので、時間より早く到着するタイプの優の性質を知っているため「いえ、すみません……」と、恐縮する。
「本当にいいよ。お仕事押したんじゃない?大丈夫?」
「少しだけ……でもすみません。ここ失礼しますね」
優が「どうぞ」と言うと、彼は向かいの席に腰をおろした。
狭い店なので、テーブルも小さく、二人の距離がぐっと近付いた。