恋をしたのは姉の夫だった人
瑞樹の目は真剣で、なんだか吸い込まれそうに感じつつも目を伏せる。
「優ちゃん、今は時間を忘れて楽しもう」
掴まれた手がじんじんと熱い。
「あ、あの、手……」
手を軽く引くと、彼は「暗いから危ないよ」と、言って離さないどころか、ギュッと包まれてしまう。
暗いといっても様々な物の位置は把握できるくらい明るいし、周囲は何より照明で煌めいている。
だけれども、この手を離すのを今はもったいないと感じる自分がいる。
振り払う勇気はなく、彼の手を受け入れた。
館内を歩く間、ずっと手を繋いだままだった。
正直なところ魚たちよりも瑞樹ばかり気になる。
手を握られている間、彼は自分のことが好きなのだということが伝わってきて、たまらなかった。
「お義兄さん、心におみやげ買っていきましょう」
「うん、そうだね」
だからあえて心の話を出して、彼を受け入れたくなる気持ちを保つ。
館内のおみやげショップに寄り、心のおみやげを選んでいると、瑞樹が「優ちゃんにも何か贈らせて」と、言ってきた。
「え、私はいいですよ。チケット代も払ってもらってもらいましたし」
「それは男なら当たり前。これなんてどう?優ちゃんっぽいよ」
瑞樹はピンクと白のふわふわしたらっこのぬいぐるみを手に取った。
それはとても可愛らしい。
彼に可愛いものが似合うように見えているのだとしたら、女として悪い気はしない。
「優ちゃん、今は時間を忘れて楽しもう」
掴まれた手がじんじんと熱い。
「あ、あの、手……」
手を軽く引くと、彼は「暗いから危ないよ」と、言って離さないどころか、ギュッと包まれてしまう。
暗いといっても様々な物の位置は把握できるくらい明るいし、周囲は何より照明で煌めいている。
だけれども、この手を離すのを今はもったいないと感じる自分がいる。
振り払う勇気はなく、彼の手を受け入れた。
館内を歩く間、ずっと手を繋いだままだった。
正直なところ魚たちよりも瑞樹ばかり気になる。
手を握られている間、彼は自分のことが好きなのだということが伝わってきて、たまらなかった。
「お義兄さん、心におみやげ買っていきましょう」
「うん、そうだね」
だからあえて心の話を出して、彼を受け入れたくなる気持ちを保つ。
館内のおみやげショップに寄り、心のおみやげを選んでいると、瑞樹が「優ちゃんにも何か贈らせて」と、言ってきた。
「え、私はいいですよ。チケット代も払ってもらってもらいましたし」
「それは男なら当たり前。これなんてどう?優ちゃんっぽいよ」
瑞樹はピンクと白のふわふわしたらっこのぬいぐるみを手に取った。
それはとても可愛らしい。
彼に可愛いものが似合うように見えているのだとしたら、女として悪い気はしない。