Last Flower
野球の試合を見てる時
お祭りをやってる時
友達とはしゃいでいる時
海でぼーっとしている時
本を読んでいる時
星空を眺めている時
そんな何でもないような時間が好きだ。

その理由はそのことを考えてる時間は私の憂鬱な
気持ちを忘れさせてくれるからだった。
1人になると余計なことばかり考えてしまって
でも、1人の時間がないと苦しくなってしまう。
人間とはなんと難しい生き物だ。

別に人生が充実していない訳では無いのだと思う。
大学に通えている。
仲のいい友達もいる。
趣味もそこそこ楽しめている。
充実しているように見える…表向きでは。

いつもどこか寂しくて
いつもどこか苦しくて
いつもどこか切ない
でもそれはたぶん私にしかわからなかった。

だから作り笑顔という仮面をかぶり
毎日を過ごした。
みんなからは、明るい、元気、話しやすい、と
言われるような陽だまりを目指した。
いつも誰かに囲まれていて
いつも何かに夢中で
いつも笑顔でいることが私の仮面だった。

本当の自分を偽っているわけじゃない。
けれど、本当の自分ではなかった。

苦しい時に苦しいと叫びたい
泣きたい時に思いっきり泣きたい
楽しい時に思う存分笑いたい
私がそんな普通のことができなくなっていた。

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