柔道金メダリスト、婚活はじめました!〜最後に選ぶのは、幼馴染?元カレ?それとも婚活?

原side

「先輩!池田さん、今日もテレビ局の取材、入ってるらしいっすよ。」

僕は男子更衣室で着替えをしていると、いつものようにジャンボが話しかけてきた。

「そうなんだ。」

「そうなんだって。それだけですか?」

僕は首を縦に振った。

「先輩、池田さんにアプローチする話は、どこにいったんすか?」

僕は次の試合が終わったら池田にアプローチしようとずっと考えていた。

高校時代から抱いていた自分の思いをついに打ち上げよう。

そう考えていたのだった。

そのために、今日も毎日練習を続けている。

「そんなこと言ってたら他の人に取られちゃいますよ。いいんですか?特に加藤さんとか。」

加藤さん…

加藤さんは池田が高校時代に付き合っていた。二箇上の先輩だ。

「なんで加藤さんが出てくるんだよ。」

僕は心底嫌な顔をした。

彼女は、彼のせいで苦しんていたことを知っていたからだ。 

彼女は彼と別れた後、しばらく荒れていた。

柔道が大好きで、毎日欠かさず練習していた。彼女が彼と別れた後、しばらく練習に来なくなってしまったことがあった。

「今日の取材、加藤さんと一緒らしいっすよ。」

「え?」

時間が止まったような感覚がした。

「さすがの先輩も焦りますか?」

ジャンボは、僕の顔色を伺った。

「いや、焦るというか、大丈夫かなって。」

「大丈夫って何がっすか?」

「俺、ちょっと行ってくるわ。」

僕は気づくと、走り出していた。
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