柔道金メダリスト、婚活はじめました!〜最後に選ぶのは、幼馴染?元カレ?それとも婚活?
池田の学生時代③
「おい、お前みたいなデブが先輩の彼女になるなんて100年早えーんだよ。お前、自分の顔、鏡で見たことあんのかよ。先輩と、不釣り合いなんだよ。」
どこかの古いドラマのような体育館裏に呼び出された。
真ん中にいる黒髪ロングの女。
この女は、いわゆるボスらしい。
名前はめぐみという名前だっただろうか。
この女は黙って手を組んで、私を見ているだけだった。
ボスだからだ。
恵組の右にいる女。
No.2とここでは呼ぶことにする。
No.2が私の胸元を掴んだ。
私は内心いい度胸だなと思った。
柔道家の胸元を掴むなんて。
「先輩はね、めぐみみたいな容姿端麗な人と並ぶ方がお似合いなんだよ。」
No.2が大声をあげる。
ここで普通なら私がボコボコにされるのが王道なのかもしれない。
だが私は、柔道部のエースだ。
数々の相手を倒してきたスペシャリストだ。
こんなことではへこたれない。
売られた喧嘩は、買う主義だった。
私は、No.2の右足に自分の左足をかけて、技をかけた。
すると、気づくと、No.2は、倒れていた。
そして、めぐみの右横にいたNo.3にも技をかけようとした。
すると、めぐみが
「あんたたち行くわよ。」
と言い、3人が去った。
私に喧嘩をふっかけるなんて、100年早いんだよ。
私は内心そう思っていた。
このときの私は何故か強気だった。
そう。こんなことでは、へこたれなかった。
先輩さえ私のことを愛してくれていたら、こんなことは、全然辛くなんてなかった。
先輩が愛してくれていたのなら。