柔道金メダリスト、婚活はじめました!〜最後に選ぶのは、幼馴染?元カレ?それとも婚活?

ep11

僕は今日もテレビ局に来ていた。

何本かの撮影を終えた後、雑誌の取材が始まろうとしていた。

イケメンアスリート特集。

僕は本当に才能で認められてるのだろうか。

顔がかっこいいだけなのではないかと思ってしまうほど、どのメディアでも、僕の柔道に関してではなく、僕のビジュアルについて問われることが多かった。

僕はテーブルの上に置いてあった雑誌を手に取った。

「失礼します。」

そこに誰かが入ってくる。多分雑誌編集者の方だろう。

そう思い、僕は立ち上がる。

「まいどスポーツの斉藤です。よろしくお願いします。」

「よろしくお願いします。」

僕は、差し出された手と握手をする。

茶髪ロング、髪は綺麗に巻かれている。

大きな瞳、キラキラした瞳の中。

薄い唇。

ネイビースーツを見に纏った女性。

「あ!」

僕は、何かを思い出した。

「め、めぐみ?」

「分かる?私のこと。」

僕はうなずく。

「良かったぁ。覚えてなかったらどうしようかと思った。」

忘れるわけがない。

彼女は僕のファーストキスの相手だからだ。

そう。

僕がゆいと別れる原因になってしまった人だ。
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