柔道金メダリスト、婚活はじめました!〜最後に選ぶのは、幼馴染?元カレ?それとも婚活?
ep3
カシャカシャカシャカシャ、カシャカシャカシャカシャ。
私たちは、会場に入ると、カメラのシャッター音が鳴り響く。音と共に眩しい光も私たちに降り注ぐ。これらの脚光は、勝ち取ったもののみが受けることができるものだ。これまでオリンピックで金メダルを取った実感が湧いていなかったが、こういう時に実感をするんだと言うことを感じた。
私に続き、柔道日本代表選手たちが続々と入ってくる。
アナウンサーさんは、端にあるテーブルの後ろにマイクを持ちながら立っている。彼女がマイクを持ちながら話し始めた。
「今回柔道日本代表記者会見を始めさせて頂きたいと思います。それでは質問のある方は、挙手お願いします。」
彼女の綺麗な美声とともに、目の前にいた者たちが、一斉に手を挙げた。手を挙げながら、パソコンに一生懸命何かを打ち込む者、ボイスレコーダーにスイッチをオンする者、カメラのレンズを必死に覗き込む者、手元に置いてある小さなメモ帳に、石に何かをメモする者。いろんなタイプの記者が私の目の前に広がっていた。
「では、1番前の方、お願いします。」
彼女が中央の1列目にいる記者を指名した。指名された記者は、立ち上がった。
「週刊スポーツの斉藤です。池田選手、このたびは、金メダル獲得おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「先程のインタビューでこれからは婚活をされるとおっしゃられていましたが、それは本当なのでしょうか?」
監督を始めとする関係者、皆が笑い始める。私は一気に恥ずかしくなってしまった。試合後のインタビューでアドレナリンが出すぎていた。あまり変なことを言ってしまったことを今更後悔するのであった。
ただ1人驚いた表情を浮かべていた人がいた。それは腹健二。彼は私と同期で高校時代から共に切磋琢磨してきた同士だ。彼は、柔道を一筋の人間であり、エンタメ等のニュースを全く見ないため、私がこのような発言をしたと言うことさえも知らないようだった。
「はい。結婚するのが昔から夢なので、出会いを求めていきたいですね。」
もうこうなってしまった以上仕方がない。私は必死に笑いながら明るく取り繕いながら、半分ジョークのようなテンションで言い放つことにした。
「スポーツ選手って出会いがありそうに見えるのですが、いかがですか?」
ジョークのように言ったら、記者たちも引き下がってくれるだろうと言う。私の考えは甘かった。これに関する質問はどんどんエスカレートしていくことになる。
「そうですね、出会いは、本当にないですね。毎日柔道しかしていないので、出会いは、本当に何もないです。」
私はそろそろ嫌気が差していた。これ以上聞かないでくれ、そんな思いでいっぱいだった。
「柔道選手は、男性が多いと思いますが、同業者の方は、いかがですか?」
「そうですね。柔道選手は、正直嫌ですね。」
「それはなぜですか?」
さすが記者もプロだ。私が最後まで諦めずに、相手に挑むように。彼らも記者として私のことを引き出すために最後まで諦めない。素晴らしいと私は感じた。だが、正直引き下がって欲しかった。
「なんとなくですね。やはり柔道選手である私を知らない人がいいですね。知ってる人だと、私が女に見えることはないと思うので。」
私がそう言うと、この会場内で1人だけ非常に気まずい思いをしている人間がいる。それは加藤ライトである。彼はこれは私よりも2つ年上の柔道選手である。今回も金メダルを獲得した国民皆が知る人物だ。私とは高校時代の部活から一緒であり、高校時代、一時期彼と付き合っていた時期があった。そのため、彼は今非常に気まずい思いをしているのである。
「そうなんですね。池田選手の素敵な出会いに期待しています。ありがとうございます。」
やっと私に関する質問が終わった。もうこれ以上これについて聞かないでくれ。私はそんな思いでいた。とりあえず私に対する質問が終わったので内心ほっとしていた。
隣に目をやると、原の姿があった。
彼はぼーっとしており、天井を見上げていた。
多分だが、時差ぼけにやられているのだろう。
彼は金メダルを獲得した。次の日も朝早くに起き、ランニングをしていたからだ。
だが、この記者会見は日本のテレビゴールデンタイムに設定されているため、非常に眠いのだと思う。
「では、続いて質問のある方?」
記者たちは、再び手を挙げる。
「後方の方。どうぞ。」
スタッフがマイクを手を挙げていた記者届ける。記者は、マイクを持ち、立ち上がる。
「原選手に質問です。今回オリンピック2連覇を成し遂げたということですが、今後の目標についてお聞かせ願います。」
「…」
「原さん、いかがでしょうか?」
「…」
「原さん!原さん!」
原よりも3個後輩のジャンボが原の腕を必死に叩く。
「あ、すみません。何ですか?」
「こんごのもくひょう!」
ジャンボが小声で腹の耳元に囁く。
「あ、もちろんオリンピック3連覇を目指したいと思っています。でもこのままだとできないということが分かっているので、これからも日々強くなれるように練習を積み重ねていきたいと思ってます。」
「先輩、もう大丈夫っす。これ以上強くならないでください。」
ジャンボがそう言うと、会場内に行ったすべての人が笑っていたように思う。
いつでも完璧な原がこんなミスもおかしなって珍しい。
どうしたんだろう?
そんなに時差ぼけが激しいのかなあ?
私は少し心配になった。
「原さんのオリンピック3連覇、期待したいですね。それでは以上で記者会見を終了したいと思います。ありがとうございます。」
アナウンサーの声掛けにより全員が立ち上がった。私も皆が立ち上がったのを感じて、すぐに立ち上がった。だが、1人だけ立ち上がらなかったものがいた。
原だった。
ほんとに彼はどうしたんだろうか?
彼は、立ち上がらず、椅子に座り、ぼーっとしてる。
記者会見が終わり、報道陣や関係者たちの会場を後にする。
私たちは、会場に入ると、カメラのシャッター音が鳴り響く。音と共に眩しい光も私たちに降り注ぐ。これらの脚光は、勝ち取ったもののみが受けることができるものだ。これまでオリンピックで金メダルを取った実感が湧いていなかったが、こういう時に実感をするんだと言うことを感じた。
私に続き、柔道日本代表選手たちが続々と入ってくる。
アナウンサーさんは、端にあるテーブルの後ろにマイクを持ちながら立っている。彼女がマイクを持ちながら話し始めた。
「今回柔道日本代表記者会見を始めさせて頂きたいと思います。それでは質問のある方は、挙手お願いします。」
彼女の綺麗な美声とともに、目の前にいた者たちが、一斉に手を挙げた。手を挙げながら、パソコンに一生懸命何かを打ち込む者、ボイスレコーダーにスイッチをオンする者、カメラのレンズを必死に覗き込む者、手元に置いてある小さなメモ帳に、石に何かをメモする者。いろんなタイプの記者が私の目の前に広がっていた。
「では、1番前の方、お願いします。」
彼女が中央の1列目にいる記者を指名した。指名された記者は、立ち上がった。
「週刊スポーツの斉藤です。池田選手、このたびは、金メダル獲得おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「先程のインタビューでこれからは婚活をされるとおっしゃられていましたが、それは本当なのでしょうか?」
監督を始めとする関係者、皆が笑い始める。私は一気に恥ずかしくなってしまった。試合後のインタビューでアドレナリンが出すぎていた。あまり変なことを言ってしまったことを今更後悔するのであった。
ただ1人驚いた表情を浮かべていた人がいた。それは腹健二。彼は私と同期で高校時代から共に切磋琢磨してきた同士だ。彼は、柔道を一筋の人間であり、エンタメ等のニュースを全く見ないため、私がこのような発言をしたと言うことさえも知らないようだった。
「はい。結婚するのが昔から夢なので、出会いを求めていきたいですね。」
もうこうなってしまった以上仕方がない。私は必死に笑いながら明るく取り繕いながら、半分ジョークのようなテンションで言い放つことにした。
「スポーツ選手って出会いがありそうに見えるのですが、いかがですか?」
ジョークのように言ったら、記者たちも引き下がってくれるだろうと言う。私の考えは甘かった。これに関する質問はどんどんエスカレートしていくことになる。
「そうですね、出会いは、本当にないですね。毎日柔道しかしていないので、出会いは、本当に何もないです。」
私はそろそろ嫌気が差していた。これ以上聞かないでくれ、そんな思いでいっぱいだった。
「柔道選手は、男性が多いと思いますが、同業者の方は、いかがですか?」
「そうですね。柔道選手は、正直嫌ですね。」
「それはなぜですか?」
さすが記者もプロだ。私が最後まで諦めずに、相手に挑むように。彼らも記者として私のことを引き出すために最後まで諦めない。素晴らしいと私は感じた。だが、正直引き下がって欲しかった。
「なんとなくですね。やはり柔道選手である私を知らない人がいいですね。知ってる人だと、私が女に見えることはないと思うので。」
私がそう言うと、この会場内で1人だけ非常に気まずい思いをしている人間がいる。それは加藤ライトである。彼はこれは私よりも2つ年上の柔道選手である。今回も金メダルを獲得した国民皆が知る人物だ。私とは高校時代の部活から一緒であり、高校時代、一時期彼と付き合っていた時期があった。そのため、彼は今非常に気まずい思いをしているのである。
「そうなんですね。池田選手の素敵な出会いに期待しています。ありがとうございます。」
やっと私に関する質問が終わった。もうこれ以上これについて聞かないでくれ。私はそんな思いでいた。とりあえず私に対する質問が終わったので内心ほっとしていた。
隣に目をやると、原の姿があった。
彼はぼーっとしており、天井を見上げていた。
多分だが、時差ぼけにやられているのだろう。
彼は金メダルを獲得した。次の日も朝早くに起き、ランニングをしていたからだ。
だが、この記者会見は日本のテレビゴールデンタイムに設定されているため、非常に眠いのだと思う。
「では、続いて質問のある方?」
記者たちは、再び手を挙げる。
「後方の方。どうぞ。」
スタッフがマイクを手を挙げていた記者届ける。記者は、マイクを持ち、立ち上がる。
「原選手に質問です。今回オリンピック2連覇を成し遂げたということですが、今後の目標についてお聞かせ願います。」
「…」
「原さん、いかがでしょうか?」
「…」
「原さん!原さん!」
原よりも3個後輩のジャンボが原の腕を必死に叩く。
「あ、すみません。何ですか?」
「こんごのもくひょう!」
ジャンボが小声で腹の耳元に囁く。
「あ、もちろんオリンピック3連覇を目指したいと思っています。でもこのままだとできないということが分かっているので、これからも日々強くなれるように練習を積み重ねていきたいと思ってます。」
「先輩、もう大丈夫っす。これ以上強くならないでください。」
ジャンボがそう言うと、会場内に行ったすべての人が笑っていたように思う。
いつでも完璧な原がこんなミスもおかしなって珍しい。
どうしたんだろう?
そんなに時差ぼけが激しいのかなあ?
私は少し心配になった。
「原さんのオリンピック3連覇、期待したいですね。それでは以上で記者会見を終了したいと思います。ありがとうございます。」
アナウンサーの声掛けにより全員が立ち上がった。私も皆が立ち上がったのを感じて、すぐに立ち上がった。だが、1人だけ立ち上がらなかったものがいた。
原だった。
ほんとに彼はどうしたんだろうか?
彼は、立ち上がらず、椅子に座り、ぼーっとしてる。
記者会見が終わり、報道陣や関係者たちの会場を後にする。