柔道金メダリスト、婚活はじめました！〜最後に選ぶのは、幼馴染？元カレ？それとも婚活？

賢斗side

「わぁ！すごい！賢斗さん、私こんなホテルのディナー、初めてです。」

目の前にいる彼女の目が輝いていた。

彼女とは合コンで知り合った。

以前から彼女のことをテレビで拝見することはあったが、実際に会うのは初めてだった。

テレビで見ている時から、努力することを惜しまない素敵な人だなと思っていた。

実際に会うと想像していた倍以上素敵な人だった。

そんな彼女と初めてディナーに来た。

ホテルの最上階にあるレストランだ。

彼女はきらびやかな世界にいる人だから、僕にしてはかなり力を入れた店選びだった。

正直、かなりのお金がかかったが、彼女のこんなにも幸せそうな姿を見れて、僕まで幸せになることができた。

今日彼女を見かけたとき、彼女は元気がないように見えた。

何かあったのかもしれない。

そう感じていた。

「元気そうでよかった。」

「え？」

気づくと、僕はそんなことを口にしていたのである。

「なんか元気なさそうに見えたから。」

僕がそう言うと、

「…や、やっぱり気づきました？」

彼女が少しうつむいた。

しばらくすると、彼女が今日あったことを話してくれた。

彼女の話によると、真面目だと思ってた友達が練習をサボって門限も破って合コンに行ったことを知り、モヤモヤしているらしい。

その友達は異性なのか？

僕の脳内には、すぐにそのことがよぎった。

「その友達は、異性？」

「一応男なんですけど、そういうんじゃないんです。あいつは、友達っていうか、同士というか。」

僕の胸はざわざわしてしまった。

彼女はその男のことが好きなのではないか。

僕の心はどんどん焦っていくのを感じた。

僕の表情は、どんどん曇っていくのに対し、彼女の表情は、どんどんと明るいものになっていた。