柔道金メダリスト、婚活はじめました!〜最後に選ぶのは、幼馴染?元カレ?それとも婚活?

ep4


僕は彼女の一言によって動揺していた。

僕はこれまで柔道一筋で柔道に関しては完璧であり、休みの日も一生懸命に練習する位には、ストイックな選手として有名である。 

だが、恋愛に関しては、かなり不器用だと自負している。

「原さん、さっきどうしたんっすか?記者会見中にぼーっとするなんて、珍しすぎます。体調悪いんですか?」

高校高校後輩であるジャンボが心配そうに僕の顔を見ている。

「いや、大丈夫。それより、池田って婚活してるの?」

僕は今最も気になっていることを彼に質問してみた。

「え?先輩、今知ったんっすか?」

彼は、僕が記者会見ってもう終わったの?と質問したような驚き方で驚いた。

僕はそんな当たり前のことを聞いてしまったんだろうか。

恥ずかしくなってしまい静かにうなずいた。

「あんなにテレビでも毎日やってるのに?先輩、テレビ見てないんっすか?」

僕は、テレビを一切見ない。

オリンピックで金メダルを取った後も、自分がどれほどメディアに取り上げられているのかさえも知らない。

彼女の優勝のインタビューに関しても、見ていなかったのだった。

「さすが原さんっすね。柔道バカっすわ。」

彼は、いつものようにからかう。

「てかなんで先輩、そんなこと気になるんですか?先輩っていつも柔道以外のことなんてどうでもいい人じゃないすか?え?もしかして池田さんのこと、好きなんすか?」

ジャンボがいつもの冗談のように言ったつもりだったのかもしれない。

だが、僕は目が泳いでしまった。そんな僕の様子を見て、ジャンボが

「もしかして図星ですか?」

と言い、再びからかった。

「そ、そ、そんな訳ないだろ。」

僕の顔色は一気に赤くなった。

そんなドギマギしている僕を見たジャンボは大笑いした。

「わかりやす。先輩わかりやすいっすわ。」

彼のそんな一言に僕の頬は、赤く染まった。

「そんなんじゃないよ。」

「先輩、可愛すぎますって。絶対的王者原の意外な面を知っちゃったぁ。」

彼は僕からからかうことをやめない。

しかし、数秒後、彼は表情を変え、冷静に、こう言い放った。

「でも先輩、池田さん、本気で婚活してるらしいんで、急いだ方がいいっすよ。じゃないと、取られちゃいますよ。」

僕は時が止まったような感覚に陥った。

「どうしたらいい?」

僕は、気づくと彼に助けを求めていたのだ。

「僕に良い案があります。」

「良い案?」

「こっちです。」

そう言って彼が僕にに耳打ちをした。

僕は彼に言われた通り、実践することにしたのだった。
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