柔道金メダリスト、婚活はじめました!〜最後に選ぶのは、幼馴染?元カレ?それとも婚活?

ep21

私は、今日も寮にいた。

プルルルルプルルルル。

私は、この数日間、鳴り響くスマホを無視している。

「スマホ、鳴ってるぞ。」

「し、知ってる。」

「彼氏からだろ。そろそろ出てやれよ。心配してるんじゃないのか?」

近くにいた原がこう言った。

そろそろ勇気を出さないとだよね。

賢斗さんは、何も悪くない。

私がおさむさんに騙されたのが悪かっただけだ。

私は、ボタンを押した。

「もしもし、賢斗さん?」

「池田さん…お元気でしたか?」

彼の声は、どことなく元気がなさそうに聞こえた。

もう1週間近く彼の電話を無視していたのだ。

「はい。お電話せずに申し訳ありません。」

私の声も少し震えていた。

「いえいえ。連絡頂けて嬉しいです。」

彼の声が少し明るくなってようなそんな気がした。

「今度お話がしたいです。」

「じゃあ今週の金曜日の夜は?」

「はい。わかりました。」

私たちは、金曜日の夜に会うことになった。

私は、賢斗さんに伝えようと思う。

自分のためにも。

賢斗さんのためにも。
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