マフィアの弾丸 II





 ────つまりは、そういうことだ。



 ふたり(────曰く、カーフェイと彼女)が車内に乗りこんだあとの動向は、

 以下のとおり。


 乗りこんでおそらく
 ・・・・・約、数十分程度、といったところ。




 リムジンが発進してすぐ、
 その、茶色と微かに濁りが混同したグリーンアイを歓喜に変えた彼女は。


 対峙するアーウェイの首に腕をまわしこむと

 流れるような所作で啄むように、唇と舌を絡めて両者は蜜事にもつれこんだ。



 ────…しかし
 しばらくして、カーフェイがアーウェイに
 "とある対象"のGPSを確認させるため指南。


 肝心のスマートフォンの所在は、"その少女"の自宅付近になっているため

 おそらくは、携帯するのを忘れた。と推測するのが妥当だろう。



 ついでに言えば。

 職場の裏口カメラでは、ほんの少しまえ────おおよそ、数分まえにはすでに
 ホテルを出た姿を黙認した。




 ・・・・・・ということは。

 退勤はしたが忘れモノがあり引き返したか、或いはべつの理由で────…、


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