マフィアの弾丸 II





 (……いや、それは無いな)




 家庭事情が少々、複雑ではあるが至極、真面目に育ってきたであろう事は

 接していても、判断に易くまた真っ当な性格でもある少女だ。



 ここ一、二週間はこちらの事情で会えていないにしろ。

 その(かん)突発的な行動を起こすとは考えづらい。




 ────…だが、




 (……念の為、身辺を探らせておくか)




 カーフェイは視線だけでアーウェイに合図を送ると、顎でPCを指ししめす。


 頬杖をついていた彼は片眉を上げ、面倒そうにその、ダークレッド色味の唇を歪めるもそれも、ほんの一瞬。



 「…あーはいはい了解」────そう、両手のひらをあげながら降参の意を示すと

 かいていた胡座を片脚だけもちあげ、ふたたび、軽快にタイピングの音を響かせはじめたのだった────…。


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