マフィアの弾丸 II
矛盾した感覚とわかっていても、そう、感受せざるを得ないのが、人間の厄介な感情。
煩いごとを、早く解きたくて。
早足に辿り着かなくては…、と急くのに。
逃げたい感情と弱さのせいで足が、いつになく絡れ、鉛を背負っているかのごとく道は、・・・・どこまでも長いんだ。
震える自分の吐息を感じながら深呼吸を、浅くくりかえし
こころを着地させて。
からだの内っ側でころげ回る魔物を撫で回すみたいに、飼い慣らすのに
飼い慣らされたのは
実は自分なんじゃないか。とおもうほど、焦りが消え失せてくれるワケでもない。
……結局、物理的に目をぎゅっと瞑ることで思考を閉ざし。
差してくる陽の明るさすら跳ねのけて顔を背けた私は、グッと眉を顰め。
バスが来るまでの時間を、やり過ごすしかなかった────…。