マフィアの弾丸 II
今はこれが、・・・・・ありがたい。
この『当たり前』が。
変わり映えしない、『日常』が。
すごく、すごく。
座席に腰を下ろしながら、車窓から眺める見知った風景。
ゆらゆら、とぶら下がる吊り革。
休日のせいか乗客もそれなりに、いるけれども、別段、風変わりしたような事象は皆無。
私が、これから赴く場所は、きっと────…"フツー"ではないからこそ余計にそう、感じるのかもしれないが、
(………今すぐ、帰りたい)