マフィアの弾丸 II
だから強く、自立したい。と、望むようになって。
頼りない自分でも、できる事を増やしたくって。
・・・・・なのにからだは、そんな私を嘲笑うかのようにいつも、無体を働き挙げ句は健康を害してばかり。
イヤになる、
良い加減・・・・・・・自分という存在が。
そうしてほんとうに苦しく、辛いときほど、肝心の『助けて』とは
口走れないのだ。
「……」
────…す、と膝下に落ちていた視線。
こころに渦巻く、消極的なレッテルだらけの感情のままに下を向いていた目線を。
ふ、ともちあげると鏡に映った、別人の様相の"姿"に、焦点を合わせ何となしに見定めていく。
あれよあれよ、とされるがままに過ぎてしまった、今さら戻せないタイム・トリップに。
思考と記憶だけは、冷静によみがえってくる自身の回想に意識を馳せて。
・・・『否』と。
はっきり発話することができなかった私の落ち度。
ただ、椅子に座らされた身ぐるみは、今は着てきた私服とは随分、身なりを変えられドレス姿になっている。
こちらの意思など無用の長物に、小綺麗な漆黒のドレスアップに身をつつまれ。
施されたメイク技と、奇抜色のエクステだかウィッグだかのおかげで、対峙した鏡のまえの自分はまるで。
まるで赤の他人と、対面しているよう。