マフィアの弾丸 II





 「今夜も、…その茉美子(まみこ)様の誕生パーティーですのよ?」────美しく、可憐に。そんなふうに口語するのに、



 私の耳には、まったくはいってこない、意味が。

 理解が、・・・・・遅れる、




 脳内で、今し方の彼女の発言を鵜呑みにして記憶して。

 記録として再生されれば、やっと意味があたまのなかで文字を、組み立てられるように咀嚼(そしゃく)できて。




 ・・・・・・・いい、なずけ。

 許嫁・・・・。



 こんな場合(とき)に限ってイヤな第六感というのは稼働する。


 直感。

 私が、昨日、バイト先で目撃した、彼女とカーフェイさん、の
 姿を────…。




 「……、」



 ・・・・・まだ、わからない。よ、


 このひとたちが口々にする、()の方々がカーフェイさんたち、であるのか。

 私の、いきすぎた勘違いってこともあ、




 (…………、。

 いや、無い。無い、よな、そもそも)



 自意識過剰。


 それに、仮にほんとうだとして、その先は────…?

 私と、あのひとたちとは、ただの
 友だちに近い感覚で、関係で、どちらかと恋人同士でもない、


 無い。のに────、


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