マフィアの弾丸 II
「……そっ、か、」
・・・・・あぁ、そぅ。だよね、
あの人たちには、あの人たちの置かれた環境や相応の日常があって。
そこには当然、私の知らない交友関係やビジネスなんかが成り立っていたりする。
そんなオーソリティーに長けた組織があつまるような、場所で、お互いに出逢うひとたちの縁だって私と、同じ。
そこは何も変わらない、変わらないんだ、
その人たち自身が特別であろうと無かろうと。
こんな煌びやかな世界のルールとか、は。
ごく一般人の私には意図をつかみかねるけども。
カーフェイさんたちは忙しい合間を縫ってでも、わざわざいつも、
約束を守って
お昼には来てくれた。
感謝こそすれ。
こんな邪心と邪推で、勝手に落ち込んで批判的になるのは、失礼・・・・・、
「────貴女は、わたくしの新しい秘書ということにしてあるのは理解して
いるわよね?」
「…っぇ、」
あ、はい。────突然、顔だけ振り向かせそう発話した問いかけに、咄嗟に
肯定の返事はきりかえしたものの。
何をこれから言わんとしているのかは、見当もつかずただ、ただ
船岡さんの、どこか企みを潜めているような目に見つめ下されるから私は硬直してしまって。
「────素性がバレないためにも、貴女には、話せない
女性を演じてもらうわ」