マフィアの弾丸 II
偽りの仮面舞踏会(すがた) ⅱ
────…ふ、と重たげに上げた目蓋は、逃避したい意思とは反してオートマチック。
無意識のうちの算段で視界が広げ。
広がった視野に入り込むのは、どこまでも、凡人に冷たく、…そして新しい世界観。
捉えた会場内は直に、お目にかかるには到底、莫大な金額が請求されるのだろうな
空間だ。と気後れしつつも、認識できれば。
ゴクり。固唾を飲んで再三、その景色を網膜に、明確にさせた。
五つ星シェフなど著名な料理長が設えたような
食欲と
見た目唆る、ディナーの飾られた
いくつもの
円状テーブルには。
オードブルやメーン料理、
豊富なデザートなど。
見ていて色鮮やかでどれも繊細に、凝った調理物が人々の、邪魔にならない
程度に点在しており。
それらを囲んで趣向を存分に、喫している彼らもまた。
この場に適合するような身なりで、愉しんでいる様子だった。
胸もとがぱっくり、割れてひらいたブラックの、シックなドレスや。
ホワイト色調のパンツドレス、フリンジでデザインされたグレーのドレス。
男性陣は、蝶ネクタイでパリッとキメた紳士服もいれば
はたまた、斬新なファッショナブル・スタイル、
セオリーな燕尾服だったり。と老若男女問わず、殊に、身なりに関しては。
相当に気合いの入っていることを
示しているようでもあって。