マフィアの弾丸 II





 「…解ったでしょう?貴女、ご自分がどれだけ()の方々に大目に、ご贔屓(ひいき)に見ていただいて
 いるのか。
 普通であるなら貴女のような一般人が
 彼の方々と容易に謁見
 されるなど無礼千万(ぶれいせんばん)、赦されないことなのよ?」



 立ち止まった私に、容赦のない警告がふりかかってココロに、刃を突き刺す。

 それにも私はただ、黙するしかやるせが無くって。


 逃げるように彷徨わせた視線は、これでもかと言うほど身綺麗なひとたちの、忘我の表情をとらえて結果、足下にくだる。




 ・・・・・・なん、で、私、ココにいるんだろ、



 何も答えられない、反論も肯定もできないまま、

 重苦しい精神の澱みに沈む私に、さらに、追い討ちをかける響きが追って、くだされた。




 「今後の行動は慎んで、身分を弁えるとここで、約束してくださらない?」


 「……っ、え?」


 「何?何か、問題なのかしら?」


 ツイ、と向けられたその眼差しは、どこまでも剣呑として。

 同時に、彼女の傍らにいた側近の、彼からも難色を示した表情で見下ろされれば、ぐっ。と推し黙らざるをえない状況にただ、頷くしか。


 私には今を逃げる、方法はなかった。




 「…………はい」


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