マフィアの弾丸 II





 そんなちいさくて、欲望だらけの憧景(しょうけい)をひっそり、こころの内に仕舞って馴染みの
 彼らと、会場入りしたパーティー。



 一歩、あしを踏み入れればそこは、仮面舞踏会のように皆が、

 表面上の仮面(ペルソナ)をかぶり
 自分を売り込もうとする、
 劣情と欲望を熟成させた世界観。




 (……相変わらず、ね)



 いつものように、まとわりついてくる紳士やどこぞのご子息たちからの

 熱っぽい視線は、
 お酒に酔っておいでかイヤに、
 勇猛果敢(ゆうもうかかん)で。



 若手女優陣や女性アーティストの方々も、
 同義、
 カーフェイやアっくんに取り入ろうと

 臆する
 ことなく能動的に、
 自己アピールをくり広げていく最中だ。




 ・・・・常通り。

 こんな社交会なんていつものこと。



 そんな思いのまま、それらをかるく、受けながしつつもあたしは
 彼らと並び、
 談笑に花咲かせていて。




 ただ────…今宵は、

 その
 "いつも"が違った────…


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