玉響の一花       あなたにもう一度恋を 三
荷物は入りきらないものだけ、
もう一つの部屋のクロークにしまい、
ある程度過ごしやすいくらいに
荷物整理すると、筒井さんとパリで
初めての夕食を取るために出掛けた


オススメの美味しいフレンチ
レストランは建物もオシャレで、
アンティーク調の椅子やテーブル、
シャンデリアもとても素敵だ


『ここはなんでも美味いから、
 メニュー見て分からなかったら
 聞いて?これも勉強だからな?』


「はい!」


メニューを開くと、当たり前だけど
フランス語で全て記載されていて、
自分の中にある知識でなんとなく
一つひとつ見始めた。


「Poisson‥‥魚‥‥でmorue?
 鱈ですか?」


『正解。鱈と白カブのムニエルだな。』


「美味しそうです。
 soupe de maïs‥‥コーンスープ
 とasperges blanches?アスパラ? とpoulet‥‥鶏肉?」


難しい言葉が多すぎて、単語で
なんとなく料理を想像していると、
目の前の筒井さんが私を見て嬉しそうに
笑った。


『十分さ。俺は最初はもっと
 分からなかったからな。
 ここはコース料理になってるから、
 今言ったものが食べれそうなら
 頼もうか?』


「はい、お願いします。」


『一杯だけ一緒に飲もう。』


スマートに店員さんを呼ぶと、
流暢なフランス語で注文してくれ、
その姿が素敵過ぎて見惚れてしまう


私もここに一年住んだらこれくらい
余裕が出るのだろうか‥‥


フルーティーなシャンパンで
乾杯をした後、ホワイトアスパラガスの
グリルや、とうもろこしのスープ、
を始め、魚やお肉料理、デザートを
美味しく頂き、買い物を済ませてから
ホテルまで戻った。



「日本のスーパーが近くにあるなんて
 嬉しいです。やっぱり割高ですね。」


筒井さんがレンチンご飯や調味料を
纏めて亮さんに送ってもらってたのが、
今になって理解できる。


国際郵便で郵送できない物もあるけど
制限がないものは大丈夫みたい。
私も1年間和食がないのは耐えられない
からなんとかしないとな‥‥



5日分の朝食用と夜に食べるお摘みや
アルコール類、あとはお水を沢山買い
冷蔵庫に片付けた後、交代でシャワーを
浴びた。


『明日は朝早い。
 体が冷えるといけないから今日は
 早めに休もう。』


日本から持ってきていた緑茶の
ティーパックで2人でお茶を飲み
早めにベッドルームに向かった。
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