玉響の一花       あなたにもう一度恋を 三
セーヌ川と夕焼けに照らされながら
交わした口付けは、今までで1番
優しいキスだった。


まるで、初めて蓮見さんの別荘で
されたような気持ちを思い出させる
キスに、顔が赤くなった私を抱き寄せ
てくれた筒井さんに私も腕を回して
抱きついた



『‥素直なお前らしくやればいいよ。』


「はい‥‥ありがとうございます。」



これから先、筒井さんに何度恋を
するかは誰にも分からないけれど、
これだけはわかる。


どんなに離れていても、近くにいても、
筒井さんに何度でもこの気持ちを抱くと
いうことを。


この人を好きになったことは、
私の人生の最大の出来事だけど、
ほんの少しの勇気が実ったのなら、
あの時踏み出した自分のおかげで
今がある


グゥ‥‥‥


『ハハッ‥腹まで素直だな。
 よし、美味しいご飯を食べてから
 帰るぞ。』


「嘘、き、聞こえました?」


『聞こえるどころか響いてたぞ?
 tu es le meilleur pour me faire rire
C'est mon amant.』
(お前は、俺を笑顔にする最高の
 恋人だな‥)


「c'est moi aussi!」
(私もですよ!)


ここまでとても長かったような
短かったような時間を筒井さんと
過ごして来た。


明日からの私達がどう変わっていくかを
楽しみに、これからも隣に立って
いられますように‥‥



玉響の一花
あなたにもう一度恋をする 

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