玉響の一花 あなたにもう一度恋を 三

『霞ちゃんいいねぇ。飲もう！
　俺がタクシーで送るから。』


「はい！同じものをお願いします！」


『お前‥‥‥どうかしたのか？』


ﾄﾞｸﾝ



至近距離で下から覗き込む綺麗な
顔が真顔で私を見つめている。


自己嫌悪になっていたのが、
落ち着いたと思っていたのに、
筒井さんに会うと自分の事が
嫌いになっていくようだ


筒井さんは何も悪くないのに‥‥


「何にもないですよ、
　全然大丈夫ですから。」


『‥‥‥‥』


ニコッと笑顔を見せると、隣に座っている蓮見さんと一緒に料理を選びながら
元輝さんや亮さんとも話していた



『じゃあ井崎さんは25歳か。
　俺の奥さんも歳が近いよ。』


「そうなんですね。あの‥‥奥様は
　一緒に来日されなかったんですか？」


『‥‥‥‥』


えっ？
私何かマズイことでも言ってしまった？


キョトンとする元輝さん、それに蓮見
さんや亮さんも驚いている


『滉一‥お前伝えてなかったのか？』


元輝さんが筒井さんを見て小さく
溜め息を吐いたので私も隣に座る
筒井さんの方を向くと、オリヴィアさん
の肩に手を置き私を見た


『前に元輝の写真見せたから、
　言ったつもりでいたな‥‥悪い。
　オリヴィアが元輝の奥さんだよ。』


えっ！？


オリヴィアさんが！？


そういえば、別荘とかで見ていた
写真に元輝さんもオリヴィアさんが
写ってた気がする‥‥


てっきり会社の方だという認識で
いたから、とんだ勘違いをしていて
申し訳ない気持ちと恥ずかしさで
いっぱいになった


「ごめんなさい‥‥あっ‥‥
　Désolé. Je ne le savais pas. Bienvenue au Japon. Je suis heureux de vous rencontrer. Je m'appelle Kasumi.」
（知らなかったとはいえごめんなさい。
　ようこそ日本に来てくださいました。
　私の名前は霞です。）


改めてオリヴィアさんに、
挨拶をすると、立ち上がった彼女が
私のもとに来てくれて優しくハグを
してくれた。


『C'est bon. Je suis également heureux de vous rencontrer. Je suis heureuse parce que la petite amie de Koichi est une fille tellement merveilleuse.』
（いいのよ。私も貴方に会えて嬉しいから。滉一のガールフレンドが素敵な子で
嬉しいわ。）


オリヴィアさん‥‥‥