玉響の一花       あなたにもう一度恋を 三
『お前達は昔から
 ほんとに変わらないな。見てて
 楽しいよ。井崎さん大変だね?』


「い、いえ‥‥見てて楽しいです。
 元輝さん達は筒井さんのお家に
 滞在されてるんですよね?
 ご飯とかどうされてるんですか?」


筒井さんは料理ほとんどしないし、
寝泊まりだけしてるのかな?


私は使ったことないけど、
ゲストルームが確か一つあったから、
そこにオリヴィアさんと?


『霞ちゃん、no problem!!
 あのマンションの持ち主をお忘れ
 かい?』


えっ?


いまだにニヤニヤする蓮見さんに
視線を向けると、繋いだままの筒井
さんの手が私の指をさすった。


『流石に滉一君の家に2週間も
 いるわけないでしょ?うちが
 管理してる部屋でウィークリー
 マンションにしてる部屋があるから
 家具家電揃ってるしそこに元輝達は
 ステイしてるよ。だから君は
 気兼ねなく尋ねてくれていいよー』



そうだったんだ‥‥
確かにオリヴィアさんもいるとなると、
慣れない日本で他人の家にいるより
夫婦で過ごした方が気楽だよね‥‥


『そういうことだからいつでも
 おいで。お前の作るご飯がそろそろ
 食べたいからな。』


『俺も!!霞ちゃんのご飯が食べたい
 からそろそろ来てよ。』


『お前は来るな。』


『ひっでぇ‥‥』


隣に座る亮さんに頭を叩かれている
蓮見さんにまたみんなで笑った。


いつものメンバーも楽しいけど、
こうしてまたみんなで楽しく話しながら
美味しいご飯を食べるのも幸せだ



「今日は誘ってくださってありがとう
 ございました。」


『井崎さん楽しかったよ。オリヴィア
 とも沢山仲良くしてくれて本当に
 ありがとう。帰国する前にまた
 みんなで集まろうな。』


『Merci, Kasumi.
J'attends avec impatience le jour où je pourrai sortir.』
(霞、ありがとう。あなたと出かける日を楽しみにしてるわ。)


オリヴィアさんとハグをしてから、
タクシーを見送り手を振った。


『さー二軒目に行きますか。
 いつものBARでいいだろ?』


そっか‥‥蓮見さんたちは3人で
いつものお店に飲みに行くんだ。
お酒あんなに飲んでたのに3人とも
シラフだもんね‥‥


「では私はここで失礼しますね。」


ペコッと3人にお辞儀をすると、
筒井さんに引き寄せられ、肩を抱かれた


「つ、筒井さん!?」


『送ってく。』


えっ?


『滉一、こっちは気にするな。
 2人で話したい事あるんだろ?
 俺は今日もまた拓巳の子守りを
 やるだけだから。』
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